4月1日(日)放送のラジオ番組『すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト』では、第68代世界医師会会長横倉義武を迎えて、知られざる「世界医師会」について。そして今では当たり前の「国民皆保険」について伺った。
自見)日本医師会会長で、去年の10月、第68代世界医師会会長に就任された横倉義武さんです。私は参加できなかったんですけど、シカゴで行われた就任式で、横倉会長がスピーチされた原稿を頂きました。まだ横倉会長が小さい頃、「国民皆保険」と言う制度が日本に導入される前のご両親の姿が書かれていました。「福岡県みやま」というところで、お父様が病院を開業された時に、地元の住人の方がお薬代を払えなかった。その時にお母様が、ご自分の着物を売って薬代に充てていたというエピソードから始まり、今日に至るまでの医療の発展に言及されている一節があるんです。たいへん心を打たれました。
自見)このラジオをお聴きの方の中には「世界医師会」と聞いてもどのような組織なのかな?とご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。
淵澤)恥ずかしながら、よくわかりません。
横倉)世界医師会は第二次世界大戦の後、1947年に組織されました。戦時中に色々な犯罪的な医療行為というのがありまして、その反省から、生命の倫理を尊重しないといけないということから、スタートいたしました。
淵澤)役割は?
横倉)ひとつには命の倫理や医の倫理ということの世界標準を作っていくこと。そして、もうひとつは世界中の国々に必要な医療をちゃんと届けること。現在114ヵ国の医師会が参加しています。
自見)世界医師会に立候補された想い、お聞かせください。
横倉)先ほど、自見さんが私の就任演説を紹介してくれましたが、日本は国民皆保険の体制があるので、自分に負担できる範囲で、世界でも最高に近い医療を受けられる体制が出来ています。
淵澤)助かっています。
横倉)そんな日本の優れた医療体制を世界中の人々が共有できるようにしていこうといのうが、立候補を決意した一番の理由です。
自見)日本では当たり前のようなことが、世界では当たり前ではないということですね。
横倉)実は日本で国民皆保険が出来たのは、1961年。それまでは医療を受けようと思っても、お金がないと受けられない。医療を提供する私共にいたしましても、「この方は、この薬を使えば助かるのに。高いお薬だから使えない」そのようなジレンマもありました。国民皆保険体制になって、必要な医療を必要な方に提供できるようになったということが、非常に大きなことですね。
淵澤)その国民皆保険の体制を、世界に広げていくということですね。
自見)日本の使命ですね。
すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト
FM93AM1242ニッポン放送 毎週日曜 6:04~6:13
番組情報
この番組は、子育てで日々奮闘しているママやパパ、そしておじいちゃん、おばあちゃん、ご近所さんなど、子育てに関わる皆様に、役立つ情報を提供してゆく子育て応援プログラムです。
ナビゲーター:尾木直樹 アシスタント:淵澤由樹(フリーアナウンサー)