シャープと共同開発した“RoBoHoN(ロボホン)”

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4月5日放送 ゲスト:ロボットクリエイター 高橋智隆 第3回

シャープと共同開発した“RoBoHoN(ロボホン)”

高橋智隆氏製作のロボットは、流線型で親しみやすいデザイン。二足歩行の人型のコンパクトなサイズで、歩く・踊る・言葉を話し理解する・コミュニケーションをとれることが特徴。
代表作のひとつにシャープと共同開発したRoBoHoN(ロボホン)がある。


ロボットはどのように作られていくのか

黒木)おはようございます、黒木瞳です。毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、ゲストは株式会社ロボ・ガレージ代表のロボットクリエイター・高橋智隆さんです。
今日もロボホンが目の前にいますが、何か見せていただけるのでしょうか。

高橋)よし、じゃあ……“逆立ちして”。

ロボホン)(逆立ちを始めて)……ウン、いくよ。 

黒木)お、いま手が……。

高橋)なかなか運動神経がよくて。

黒木)あ、でも頭がぶつかっていますよ?

高橋)三点倒立になりまして、ここから……。

ロボホン)(逆立ちを決めて)……決まった! スゴイでしょ! ボク、頑張ったヨ!

黒木)うん、すごい。頑張ったね(笑)。どれくらいのコミュニケーション能力が搭載されているのですか?

高橋)人と同じ、とまではいきませんが、幼児レベルの会話が何とかできるようになりたいと思っています。

黒木)そうですね。やはり、コミュニケーションがとれるといいですよね。ロボットって、作られたものですけれど、話とかができるようになるとまた違ってきますね。

高橋)そうですね。振り返ってみると、我々はペットと話をしたり、お人形さんですら、ぞんざいに扱えないですよね。それくらい、生き物とか生き物を模したものに特別な感情を持っているので。ロボットもこうやって、徐々に知的になってくると、生き物とは言いませんが、それに準ずるものになるのではないですかね。

黒木)ロボット製作をなさっている高橋さんですが、何人くらいのチーム体制で作られるのですか?

高橋)実は、自分の会社「ロボ・ガレージ」と、いま東京大学に研究室「高橋研究室」を持っています。どちらも、誰も雇っていなくて、1人でやっています。最初の段階はデザインしたり、設計したり、試作したり、プログラミングしたり、そこまでは1人でやっています。

黒木)えぇ~っ!

高橋)そこから先は、商品にしていくにあたり、たとえばロボホンでは、シャープさんと、その後、商品のための開発を続けていきます。そうすると、100人、200人という体制でやっていくことになります。

黒木)じゃあ、まったくおひとりでデザインから製作までやって、その後は量産に向けて企業と組んでやっていらっしゃるということですね。

高橋)そうですね。

シャープと共同開発した“RoBoHoN(ロボホン)”

好きなことが職業に

黒木)何か、失敗したこととかありますか? 「ここまで来たのにできなかった!」みたいな。

高橋)ありますね。「夜中に眠いなかで作っていて、気が付いたら右足を2本作っていた!」ということもありまし、「できあがってスイッチを入れたら、モクモク煙が……」みたいなこともありました。

黒木)何か、ドラマみたいですね(笑)。本当にそういうことが起きるのですね。

高橋)そうですね。あとは、それこそ「これはいいものができた」と思って発売してみると思ったほど売れないとか、逆に想像以上に売れるとか。そんなことばかりですね。

黒木)何せ、4歳のときからロボット……のようなものを作っていらっしゃって。いまに至っても作って、本当にそれを職業にしちゃったというね。信念があるのですね。ロボットに対する愛情というか。

高橋)そうですね。そして、一生、夏休みの工作をしているような、その幼稚な部分があってのことなのかな、と思います。

黒木)私、夏休みの工作が大の苦手でした。

高橋)僕は逆に音楽とかの方が苦手でしたね。

黒木)そういう得手不得手で、得意なことや好きなことがそのままご職業になっているのは、力というか武器ですよね!

高橋)そうですね。そして、「ラッキーだな」と思います。

黒木)そうですね。ご家族の方は何と仰っていますか?

高橋)気が付いたらロボットを作るキットを実家の母が買っていて。

黒木)かわいい。

高橋)「老眼で、小さいネジがうまく締まらないから、ここだけやって」とか言って、宅急便でドカッと送られてきます。忙しいのに母のロボットを作って、また送り返して……みたいなこと、させられていますね。

黒木)でも、お母様も子供の頃からずっと見ていらしたわけですから。喜ばしいことじゃないですか?

高橋)まあ、ね(笑)。迷惑もかけたとは思いますが。

高橋智隆/株式会社ロボ・ガレージ代表
1975年生まれ。
立命館大学・産業社会学部に入学。1年間留学し1998年卒業。
翌年、京都大学工学部に入学。2003年の卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業。京都大学内入居ベンチャー第1号となる。
2004年には代表作「クロイノ」が米タイム誌で「最もクールな発明」に選ばれ、ポピュラーサイエンス誌で「未来を変える33人」の一人に選ばれる。
ロボットクリエイターとして、ロボットの研究・設計・デザイン・製作を全て手掛け、代表作に「週刊ロビ」「ロピッド」「FT」「エボルタ」などがある。
2013年、世界で初めてコミュニケーションロボット「キロボ」を宇宙に送り込むことに成功するなど、いま最も注目されるクリエイターである。

(2018年4月5日放送分より)

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