阿部寛とともに江戸のエロチシズムを探求する?!『のみとり侍』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第410回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、5月18日から公開となる『のみとり侍』を掘り起こします。


江戸時代に実在した、猫の“蚤とり”稼業ってナニ?


江戸時代に実在したという猫の“蚤とり”稼業とは、文字どおり、お客の飼い猫の蚤を取って日銭を稼ぐお仕事のこと。しかし本作で描かれている“のみとり”は、女性に愛をご奉仕する裏稼業のこと。

原作は、綿密な時代考証をもとに当時の社会や風俗をユーモラスに表現する歴史小説の第一人者、小松重男の傑作短篇集「蚤とり侍」を『後妻業の女』で人間が抱える闇をポップに描き出した鶴橋康夫監督が映画化。

江戸の文化とエロチシズムに迫った愛と人情の物語です。


越後長岡藩のエリート藩士・小林寛之進は運悪く藩主・牧野備前守忠精の機嫌を損ねてしまい、江戸の裏稼業“猫の蚤とり”の仕事に就くよう命じられる。

長屋で暮らす親分・甚兵衛とその妻・お鈴の元で働くことになった寛之進だが、初めての“のみとり”の相手となったおみねから「下手くそ!」と罵倒され、意気消沈。それでも伊達男の清兵衛の指南によって、寛之進の腕はめきめき上達。やがて一人前の“のみとり”となっていくが、時の老中・田沼意次が失脚を受けて“のみとり禁止令”が敷かれ…。


エリート藩士・小林寛之進を演じるのは、阿部寛。生真面目すぎるがゆえ女性を悦ばせるためならなんでもする飽くなき探究心の持ち主。左遷されてもなお愚直な寛之進の生き様は愛おしいかぎり。これも、阿部寛が演じるからこその魅力でしょう。

寛之進の最初の客となるおみね役に寺島しのぶ、江戸でいちばんの伊達男・清兵衛役に豊川悦司と、まるで浮世絵から抜け出たような艶やかさでスクリーンを彩ります。

共演には、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、桂文枝といった芸達者な面々が集結。個性的かつ愛すべきキャラクターたちを好演し、笑いあふれる痛快人間喜劇を体現しています。


笑えるお色気ムービー。しかもこれが時代劇とくるとかなり異色ではありますが、こういった作品を楽しめるのは大人ならではの醍醐味。人情モノとしてもオススメの一作ですよ。


のみとり侍
2018年5月18日から全国東宝系にてロードショー
監督・脚本:鶴橋康夫
原作:小松重男「蚤とり侍」(光文社文庫刊) 音楽:羽岡佳
出演:阿部寛、寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、伊武雅刀、六平直政、三浦貴大、笑福亭鶴光、ジミー大西、オール阪神、飛鳥凛、雛形あきこ、樋井明日香、福本莉子、山村紅葉、桂文枝 ほか
©2018「のみとり侍」製作委員会
公式サイト http://nomitori.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/


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