変わらぬ美しさでファンを魅了! 中山美穂出演映画4選
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第405回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、女優・中山美穂を大特集。
1980年代から1990年代にかけて、アイドル・女優として一世を風靡。
いまなお高い人気を誇り、年齢を重ねるごとに輝きが増す美貌には惚れ惚れとしてしまいます。
そんな中山美穂の魅力満載の出演作をクローズアップします。
“ミポリン”の愛称で親しまれ、いまなおトップ女優として走り続ける!
まずは現在公開中の映画『ママレード・ボーイ』。
お互いの両親のダブル離婚とダブル再婚により、“両親S”(りょうしんズ)とシェアハウスで共同生活を送ることになった光希と遊の恋模様を描いたラブストーリー。中山美穂が演じるのは、遊の母親、松浦千弥子。
トレンディドラマや映画で多くのラブストーリーに出演してきた彼女が、子ども世代の恋を見守る立場で作品に参加する。その時代の流れに、感慨深さを覚る人も多いのではないでしょうか。
“両親がそれぞれパートナーを変えて再婚する”というファンキーな設定の中にも、トップ女優としての風格が漂います。主人公の目線だけでなく、“両親S”の視点からも楽しめるのが本作の魅力ですね。
婚約者を亡くしたヒロインが天国の恋人に向けて送った1通のラブレターがきっかけで、埋もれていたふたつの恋が浮き彫りになっていく『Love Letter』(1995年)。
岩井俊二監督の長編第1作で、その美しい映像美で淡く懐かしい感情を描き出す、珠玉のラブストーリーです。中山美穂は、事故で婚約者を亡くした女性・博子と、博子が送った恋人への手紙を受け取った樹の二役を好演。その繊細な演技は、海を渡って韓国や台湾をはじめとするアジア全域で人気を博すきっかけとなりました。
2016年に開催された「第29回東京国際映画祭」での上映後のトークショーでは、観客から「お元気ですかー?」と劇中のセリフを投げかけられ、「私は元気です!」と返し、映画の名シーンを再現するという出来事もありました。劇場公開から20年以上経っても変わらず愛され続けている、中山美穂の代表作とも呼べる一作です。
脚本家・監督の北川悦吏子が原作を担当、くらもちふさこの作画で漫画化された同名コミックを、北川自身がメガホンを取って実写映画化したラブストーリー『新しい靴を買わなくちゃ』。全編フランスロケを敢行、パリの美しい街並みにフワッと馴染む中山美穂の存在感が際立ちます。
そもそも本作の発端は、「靴をなくしたパリに住んでいる女の子が靴を買うまで」というストーリーを、中山美穂と北川悦吏子がメールでやり取りしながら作り上げたこと。パリで偶然出会った男女の、優しくて切ない3日間の恋。ラブストーリー好きは必見ですよ。
そして、5年ぶりの主演作となるのが『蝶の眠り』。
作家として成功を収めた50代の松村涼子は、自身が遺伝性のアルツハイマーに犯されていることを知る。自らの死と向き合うために小説以外のことに挑戦したいと思った涼子は、大学講師として働くことに。
そんなある日、学校の近所の居酒屋で韓国人留学生のチャネと出会う。彼は彼女の執筆活動をサポートすることになり、作業を進めるうちに涼子とチャネは次第に惹かれ合っていく…。
ジャンヌ・モロー主演の映画『デュラス 愛の最終章』をモチーフに、年齢差のある男女の愛を紡いだラブストーリー。韓国屈指の女性監督チョン・ジェウンが監督・脚本・原案を担当、「この映画は中山美穂で撮りたい!」というジェウン監督の熱意から今作でのタッグが実現しました。
実年齢よりも年上の女性小説家でアルツハイマーという難役にチャレンジした中山美穂。その透明感あふれる演技は、女優としての新たな魅力にあふれています。
<作品情報>
ママレード・ボーイ
2018年4月27日から全国ロードショー
監督:廣木隆一
原作:「ママレード・ボーイ」吉住渉(集英社文庫〈コミック版〉)
主題歌:GReeeeN「恋」(ユニバーサル ミュージック)
出演:桜井日奈子、吉沢亮、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、優希美青、藤原季節、遠藤新菜、竹財輝之助、寺脇康文、筒井道隆、谷原章介、檀れい、中山美穂 ほか
©吉住渉/集英社 ©2018 映画「ママレード・ボーイ」製作委員会
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/marmaladeboy/#indexLove Letter
監督・脚本:岩井俊二
音楽:REMEDIOS
出演:中山美穂、豊川悦司、酒井美紀、柏原崇、范文雀 ほか
©フジテレビジョン新しい靴を買わなくちゃ
監督:北川悦吏子
プロデュース:岩井俊二
音楽:坂本龍一、コトリンゴ
出演:中山美穂、向井理、桐谷美玲、綾野剛 ほか
©2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会蝶の眠り
2018年5月12日から角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本・原案:チョン・ジェウン
エンディング・テーマ曲:根津まなみ
出演:中山美穂、キム・ジェウク、石橋杏奈、勝村政信、菅田 俊、眞島秀和、澁谷麻美、永瀬正敏 ほか
©2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS
公式サイト http://chono-nemuri.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/