【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第403回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、5月4日から公開の『サバービコン 仮面を被った街』を掘り起こします。
幸せにあふれる街サバービコンに隠された真実とは
アメリカン・ドリームの街、サバービコン。そこに住むロッジ家は、会社員の父ガードナー、足の悪い妻ローズ、ローズの双子の姉マーガレット、一人息子のニッキーが幸せに暮らしていた。しかし自宅に強盗が入ったことがきっかけで生活は一転、ローズが亡くなり、幼い息子のためにガードナーとマーガレットは何事もなかったかのように日常を取り戻そうとする。
同じ頃、ロッジ家の隣に黒人一家が引っ越してくると、住人たちは大騒ぎ。そう、サバービコンは白人だけのコミュニティ。やがて、この完璧なニュータウンのもう一つの顔があらわになる...。
俳優としてだけでなく監督、プロデューサーとしても卓越した手腕を発揮するジョージ・クルーニーが、二度のアカデミー賞に輝くコーエン兄弟とドリームチームを結成。1950年代に実際に起こった人種差別暴動をもとに、理想のニュータウンの裏側をブラックに描いたサスペンスドラマです。
ジョージ・クルーニーとコーエン兄弟のタッグは、本作が4度目。これまでは俳優×監督の組み合わせでしたが、今回は監督×脚本。クルーニーが持つ社会派なテイストにコーエン兄弟特有の毒っ気がうまく絡み合い、新たなケミストリーを生み出しています。
キャストには、クルーニー組でもコーエン組でもお馴染みの面々が集結。主演ガードナー役のマット・デイモンに双子の姉妹二役を演じ分けるジュリアン・ムーア、怪しげな保険調査員役にオスカー・アイザック。彼らの怪演ぶりも圧巻です。
カラフルでキュートなサバービコンの街のイメージに好感を持つやいなや、妙な違和感を覚え、その違和感がやがて恐怖感へと変わっていく。もはやブラックすぎて笑えない、シュールな衝撃作です。
サバ―ビコン 仮面を被った街
2018年5月4日からTOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン、ジョージ・クルーニー&グラント・ヘスロヴ
出演:マット・デイモン、ジュリアン・ムーア、オスカー・アイザック ほか
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公式サイト http://suburbicon.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/