米中通商協議~中国はどこまで譲歩するのか?

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5/18  FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

2度目の米中通商協議がワシントンでスタート
7:00~ガチンコ ニュース UP!: コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)

米中通商協議~中国はどこまで譲歩するのか?

本格化する日米の戦略的な貿易競争

貿易摩擦をめぐるアメリカと中国の2回目の協議が現地時間17日と18日の2日間にわたってワシントンで行われている。アメリカが問題視する巨額の対中貿易赤字の解消に向け、具体的な是正策で一致点を見出せるかが焦点となる。

飯田)今月初旬には北京で初の協議が行われましたけれども、2020年までに2,000億ドル(22兆円)の赤字削減を求めたと。凄い数字だと思いましたが、この焦点はどういうところになりますか?

宮家)米中貿易摩擦を、1980年代の日米貿易摩擦と比較する人がいますが、私は本質的に違うと思っています。これは強いて言えば1930年代の日米関係と比較するべきだと思っているわけです。なぜかというと、貿易という戦術的な問題ではないのですよ。いま、中国が力をつけていて、アメリカの西太平洋におけるプレゼンスにチャレンジをしようとしているわけだから、戦術的な貿易ではなくて貿易は氷山の一角に過ぎない。中国とアメリカの戦略的な競争が激化していて、アメリカは中国が伸びていくような戦略的な関係は拒否すると。
これだけ厳しい態度に出る2番目の理由として言えるのは、アメリカの企業が中国で投資をすると昔は儲かっていたわけですが、いまは撤退が増えています。なぜかというと、1つは中国が地力をつけてアメリカ企業との競争に勝つようになってきたわけですよね、アメリカの言い分ですが、中国が組織的にアメリカのハイテク企業からハッキングで情報を取って、人民解放軍に使うならともかく中国の国有もしくは非常に政権に近い企業に渡している。だからこれは日米の比ではないのです。

飯田)アンフェアな競争じゃないかと。

宮家)いままでのアメリカ議会では中国に優しい議員もいた。裏では当然、中国で儲けていた企業がいたのですが、いまでは様変わりですよ。来るべきものが来た、単なる日米の80年代の貿易摩擦というよりは、米中の戦略的な競争が本格化したものだと思っています。

飯田)そう考えると、協議が必然的に上手くいくはずはないですよね?

宮家)上手くいくはずないですよ。いままで20年くらいやっているわけです。2回目というけれど、政権が代わるたびに戦略対話だとかいろいろやります。いっぱい人を集めて長々と議論をするけれども、中国側はほとんど譲歩していない。ですからいまの中国があるわけです。
日本はプラザ合意以降為替も自由化されてしまって、それから日本の衰退が始まったと中国は見ているから、同じ失敗は絶対に繰り返さない。即ち元の国際化自由化も絶対に拒否し、いまの有利な状況を死守する。どうしても圧力がくるのだったら、小出しにして凌ぐと。だけど10年も20年もやったらアメリカだって堪忍袋の緒が切れますよ。それがいま起き始めていて、特にトランプさんとその側近の強硬論がいま主流になっているというわけです。

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