卓球選手が瞬時にしてボールの軌道を判断できる理由

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5月24日放送 ゲスト:元卓球選手・ロンドン五輪銀メダリスト 平野早矢香 第4回

卓球選手が瞬時にしてボールの軌道を判断できる理由

「卓球の鬼」と呼ばれ、2012年ロンドンオリンピックでは団体戦で日本初のメダルを獲得。日本の女子卓球界をけん引してきたレジェンド・アスリート! 現在はスポーツキャスターとして活躍。

黒木)飛んでくるボールの回転は、見えるんですか?

平野)ボールは、見てはいますがあの速さなので実際には見えていない。ただ、相手が打った瞬間に「こんな角度で、この方向で打っている」というのを見れば予測はできます。

黒木)構図でわかる、と?

平野)わかります。「こんな感じの飛び方だから、これくらいの回転でこの辺に来るな」というのが。

黒木)相手も同じように、「ここだな」と思われているわけですよね。

平野)そうです。だから、最後の最後でラケットの角度を変えて逆モーションにしたり、回転をできるだけわかりにくく、フォローを変えたり。みんな工夫します。なので、「卓球をしている人は意地悪なのでは?」とよく言われます(笑)。本当に、いろいろ工夫しながらやっています。

黒木)いろいろ、作戦がありますよね。あれは自分のなかであらかじめ「こうしよう」と決めてあるのですか?

平野)ある程度は「こういう風にしたい」と戦術の軸はありますが、試合に入るとそうはいかないことがほとんどです。なので、相手を見ながら、「向こうを意識しているなら、今度はこっち」とか、「意識させておいて、大切な場面でこっちへ……」とか、駆け引きになります。ほとんど、試合の場面で臨機応変にしなければいけないことが多いです。

卓球選手が瞬時にしてボールの軌道を判断できる理由
平野早矢香/元卓球選手 ロンドン五輪・銀メダリスト
1985年、栃木県出身。33歳。
両親の影響で5歳から卓球をはじめ、高校時代に全日本卓球選手権・ジュニアで初優勝。
高校卒業後はミキハウスに入社。18歳で全日本卓球選手権・初制覇。通算5度の日本一に。
日本の女子卓球をけん引する絶対的女王として活躍する。
2008年・北京五輪に出場。個人シングルスは3回戦敗退。団体戦では4位。
2009年からは中国の卓球リーグにも参戦。
2012年・ロンドン五輪に出場。福原愛・石川佳純とともに団体戦に出場し、銀メダルを獲得。日本卓球界初のメダルをもたらした。
2014年に行われた世界選手権団体戦でも日本女子として31年ぶりの銀メダル獲得。
2016年4月に現役引退を表明。
現在はミキハウス・スポーツクラブアドバイザー、スポーツキャスター・解説者として活躍。全国各地で講演や卓球講習なども実施。

(2018年5月24日放送分より)

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