イ・ビョンホン主演の歴史大作に坂本龍一が参戦!『天命の城』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第432回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、6月22日公開の『天命の城』を掘り起こします。


抗戦か、降伏か。国の存亡を懸けた47日間の戦い

イ・ビョンホン主演の歴史大作に坂本龍一が参戦!『天命の城』
1636年に勃発した、丙子の役。中国・明の衰退により勢力を増した清が朝鮮に侵入してきたこの戦いは、朝鮮歴史上もっとも熾烈な戦争とも呼ばれています。その最後の47日間を映画化した『天命の城』が、いよいよ日本でも公開となりました。

5ヶ月にも及ぶ極寒の中でのオールロケーションを決行し、初めてスクリーンに描かれた感動の歴史大作です。

イ・ビョンホン主演の歴史大作に坂本龍一が参戦!『天命の城』
1636年12月14日、清が朝鮮に侵攻し、丙子の役が勃発する。12万人という大軍に攻め込まれるなか、王と朝廷は首都・漢陽を逃れ南漢山城に隠れるが、敵軍に完全に包囲され孤立無援の状態に。

冬の厳しい寒さと飢えが押し寄せる絶体絶命の中、朝鮮の未来を見据えた大臣たちの意見は激しく対立していた。平和を重んじ清と和睦交渉を図るべきだと考える、吏曹大臣チェ・ミョンギル。大義を貫くべく清と真っ向から戦うべきだと訴える、礼曹大臣キム・サンホン。主和派と主戦派、ふたりの意見に挟まれ、王・仁祖の葛藤はますます深まるばかり。

兵力はわずか1万3,000人と、圧倒的な劣勢に立たされる朝鮮朝廷。抗戦か、降伏か。そして、朝鮮王朝の運命は…。

イ・ビョンホン主演の歴史大作に坂本龍一が参戦!『天命の城』
清との和平交渉を突き通す大臣ミョンギル役には、『王になった男』以来の歴史時代劇主演となるイ・ビョンホン。そして徹底抗戦を貫くサンホン役には、本作が時代劇初出演となるキム・ユンソク。静かに、しかし魂と魂が激しくぶつかり合うような論議のシーンは高潔かつ重厚な趣きで、思わず固唾を飲んでしまうほどの迫力。そんな二人の知者の間で苦悩する、朝鮮王役パク・ヘイルの好演も見逃せません。

また民衆のために命を懸ける鍛冶屋ソ・ナルセ役にコ・ス、孤立無援の南漢山城を守る守御使イ・シベク役にパク・ヒスンと、韓国映画界のスター俳優が放つ圧倒的な存在感も見応えたっぷり。

メガホンを取ったのは『トガニ 幼き瞳の告発』や『怪しい彼女』で知られる、ファン・ドンヒョク監督。兵士たちの生活や戦闘シーンを生々しく描く一方で、登場人物たちの悲哀を情感豊かに映し出しています。

そして音楽を手がけたのは、今作が韓国映画初参加となった坂本龍一。現代的なシンフォニーと韓国の伝統音楽を取り入れた斬新なスコアにも注目です。

イ・ビョンホン主演の歴史大作に坂本龍一が参戦!『天命の城』
国への忠誠を持つ2人の家臣の異なる信念。そして、未来のために下した王の決断。

国の天命を背負った男たちが「民衆のための最良の選択は何なのか」を第一に考えるがゆえの葛藤と苦悶。彼らの壮絶な生き様からは、380年あまりの時を経た現代にも通じる“普遍的な信念”を感じずにはいられません。

イ・ビョンホン主演の歴史大作に坂本龍一が参戦!『天命の城』
天命の城
2018年6月22日からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:ファン・ドンヒョク
音楽:坂本龍一
出演:イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス ほか
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公式サイト http://tenmeinoshiro.com/

連載情報

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シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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