オウム事件の死刑が全て執行~史上初だった大都会での化学テロ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月27日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。残っていたオウム真理教幹部ら6人の死刑執行について解説した。

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オウム真理教の教団元幹部らの死刑執行を受け、会見する上川陽子法務相=2018年7月26日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

オウム真理教、残る6人の死刑執行

オウム真理教による一連の事件で法務省は昨日、刑が確定した教団元幹部ら6人の死刑を執行したと発表した。法務省は元代表の松本智津夫元死刑囚ら7人の刑を今月6日に執行しており、これで一連の事件で死刑が確定した13人全員が執行されたことになる。

上川法務大臣)本日、6名の死刑を執行しました。6名は教団の教祖であった麻原彰晃こと松本智津夫の下、他の教団幹部などと共謀するなどして、それぞれの立場で与えられた役割を担いつつ犯行に及びました。

飯田)上川法務大臣は事件は過去に例を見ない、そして今後2度と起こってはならない極めて凶悪、重大なもの。慎重な検討を重ね、命令、執行した。「鏡を磨いて磨いて磨き切る」という表現を使って、一点の曇りもない判断を目指したと強調していました。
全員執行ということになりましたね。

宮家)当然のことですよね。上川さんは政治家として難しい判断だったと思いますが、正しい判断だと思います。

飯田)法律の建て前からすると、刑が確定したら100日以内で執行しなければならないですが、今回はここまで時間が経ってからの執行になりました。

宮家)この事件の特殊性がありますからね。何が起こるかわからないということを考えると慎重になってきて、それが続いてしまったと思うのですが、恐らく今回の判断はそういう状況が少なくなったからだろうと思います。

化学テロが大都市で起こった衝撃

飯田)海外に与えた影響というのも、非常に大きかったと聞きます。化学テロが大都市で起こったのは史上初めてだということです。

宮家)どういう形で伝播していったかは知りませんが、サリンを使うとか、大都市の弱いところを狙っていくというところで、非常に悪い前例として広がってしまった。何かというとテロのときに必ずオウムが出てくるようになった。悲しい話でありますが、日本はこの問題については経験が豊かになったということでしょうね。

飯田)安全保障だとか国際的な会議に出ると、このオウム事件が引き合いに出されることが多いわけですか?

宮家)私も中東の専門だったので中東の宗教的なテロというものはわかっていますが、テロを専門にやっている人たちにとってはオウムもイスラムテロも同じに見えるのでしょうね。

飯田)宗教がどうして暴走するようになってしまったのかというのも含めて、まだ議論と解明の余地があるというものですね。

宮家)刑は執行されたけれども、これで問題が解決したわけではない。あの事件を生んだ背景というのは、いつでも同じような状況が生まれる可能性がある。同じような若い人たちが、同じような形で吸い寄せられていく可能性だってあるわけですから。我々も教訓としてよく考えなければいけないと思います。

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