【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第464回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、8月17日から公開の『タリーと私の秘密の時間』を掘り起こします。
ジェイソン・ライトマン×シャーリーズ・セロンが届ける、癒しと不思議な友情物語
昨年、流行語大賞にノミネートされた言葉、ワンオペ育児。育児や家事の大半をひとりで、おもに母親のみで行うワンオペレーションになってしまう状態のことで、積極的に育児や家事に参加する男性が増える一方、まだまだワンオペ育児に悩み、仕事と育児、家事の両立で疲弊している女性が多いのも現状です。
そんな頑張るママの応援ムービーとも呼べるのが『タリーと私の秘密の時間』。“お疲れママ”の救世主となる人物は、実は…。
仕事、家事、育児となんでも完璧にこなしてきたマーロだったが、3人目の子どもが生まれて彼女は疲れ果ててしまう。そんなマーロを助けてくれたのが、夜だけのベビーシッターとしてやって来るタリーという若い女性。自由奔放でイマドキ女子なタリーだったが、仕事は完璧で、マーロの悩みにも耳を傾け解決してくれるパーフェクト・ガール。マーロはタリーとの絆を深めることで、次第に元の輝きを取り戻していく。ところがタリーは、必ず夜明け前に姿を消し、決して身の上を語らない謎多きベビーシッターだった…。
『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督が『ヤング≒アダルト』でもコンビを組んだシャーリーズ・セロンを主演に迎えたヒューマンドラマ。3人の子どもを育てる母親と、不思議な魅力を持つベビーシッターという女性同士の交流や絆を、コミカルかつハートウォーミングに描き出しました。
シャーリーズ・セロンと言えば、『モンスター』では役作りのために約13kg増量したうえで連続殺人犯役を演じきり、見事アカデミー賞主演女優賞に輝いたことで有名ですが、本作ではなんと18kgの増量に成功。あのハリウッド随一の美貌はどこへやら、生活にも人生にもちょっぴりお疲れモードなママを見事に体現しています。
おむつ、ミルク、おむつ、ミルク、学校からの呼び出し…と、日常に振り回されるマーロの姿に、育児中の女性なら、ついつい自分自身と重ね合わせて観てしまうのではないでしょうか。
そしてマーロとタリーの不思議な関係性は、子育て中のママに限らず、“頑張っている”すべての人の心に響くことでしょう。ママである前にひとりの女性であり人間である。「最近ちょっと疲れが溜まってるなぁ〜」というあなた、この映画を観てリフレッシュしてみてはいかが。
タリーと私の秘密の時間
2018年8月17日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイヴィス、マーク・デュプラス、ロン・リヴィングストン、アッシャー・マイルズ・フォーリカ、リア・フランクランド ほか
©2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト http://tully.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/