サイバー対処部隊~日本における2つの問題

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月17日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。自衛隊のサイバー攻撃対処部隊について解説した。

サイバー攻撃対処部隊を新設

防衛省は熊本市の陸上自衛隊西部方面隊に、サイバー攻撃に対する防御を専門とする部隊を本年度内に新設する方針を固めたことがわかった。地方にサイバー対処部隊を置くのは初めてのこと。

飯田)2年後にはオリンピック・パラリンピック、来年はラグビーのワールドカップがあり、海外から人も集まる時期。サイバー攻撃対策というのもやっておかなければいけないことですね。

宮家)サイバー戦争はとっくの昔に始まっていて、毎日攻撃があります。それに対して毎日防御しています。問題は2つあって、1つは企業も含めてサイバーで情報を取ろうとする人たちがいる。それだけではないのです。その戦争行為の一環として、国家安全保障の観点からサイバーを相手の国の重要インフラや送電網などに攻撃をかけるとき、アメリカ政府の言い方では「原子爆弾と同じくらいの効果がある」というわけなのです。その技術は日進月歩ですから使わないと陳腐化していきますし、相手がどの程度の能力があるか試すこともあるので、私は毎日攻撃があると考えています。隣の大きい国も含めて。
「サイバー攻撃に対する防御を専門とする部隊を」と冒頭読んでいたのだけれど、「防御」だけでは駄目なのです。

飯田)向こうから攻撃ですものね。

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サイバー攻撃は、武力攻撃に値するのか

宮家)アメリカの世界ではそもそもこういった議論が10年くらい前からあるのです。まず「サイバー攻撃というのは武力攻撃か」と。武力攻撃であれば、自衛権を行使できるわけですよね。自衛権を行使するようなサイバー攻撃があるのかどうかと言えば、あるのですよ。次に、自衛権を行使するときに「サイバー攻撃に対してサイバー攻撃で返すのか」と。それも恐らく「YES」なのです。問題は「サイバー攻撃に対して通常兵器でやり返せるか」という議論があって、恐らく彼らはやるつもりなのです。そうしなかったら抑止されないわけですよ。
ここで日本の問題は「サイバー攻撃に対して防御」するだけであって「攻撃」はしないことです。だけど攻撃しなければやられっぱなしです。更にはサイバー攻撃をやり続けるから日本も物理的にね……その部隊がどこにあるのか、大都市にあるのだろうけれども。

飯田)上海のビルにあるとか、いろいろな話がありますね。

宮家)やるかは別としてもそういう議論が起きていて、サイバー攻撃というのは実は毎日起きているのだという議論をしなければいけないのだけれども、企業だって「受けちゃいました」とはなかなか言いにくいですからね。下手に表に出たら傷つきますからなかなか出ないのだけれども、これは深刻な問題だと私は思っています。攻撃を専門とする部隊とは言わないけれども、相手のサイバー攻撃をやめさせるためにより効果的な方法は、こちらの攻撃能力を示さないといけないわけです。そのときにどこまでやれるかと言ったら残念ながらまだ人数も予算も少ないと思う。これはどんどん増やさないといけないですよ。

飯田)法律の面でも攻撃をどう切り分けるか、またここで憲法9条に躓いてしまいます。

宮家)だから国会で議論ができないのですよね。

飯田)でもその間に1日、また1日と遅れていくわけですね。

宮家)そう思います。

飯田)もっと危機感が必要ですよね。

宮家)私は、毎日戦争をやっていると思っています。

飯田)アメリカはそういう風に見ているわけですよね。

宮家)もう実際にやっています。

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