ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月22日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。10月に予定されている日韓首脳会談について解説した。
韓国・文在寅大統領10月来日で調整~首脳会談開催へ
韓国の文在寅大統領が今年10月に来日し、安倍総理と首脳会談を行う方向で調整が進められていることが分かった。国際会議以外の来日が実現すれば、2011年11月の李明博大統領以来となる。
飯田)未来志向の関係発展を明記した、98年の日韓共同宣言の署名から20年の節目ということで、調整が進んでいるそうなのですが、何を話すのですかね?
高橋)20年前、よく覚えていますが、外務省の方の話ですと、韓国側は金大中さんが来られて、「もう一回だけ過去のことを謝ってくれ。これで最後にするから頼む」ということで日本側が過去のお詫びを伝えました。でも、最後にならなくて20年間、何回も何回もこの話が持ち上がってきて、あの金大中さんのお話は何だったのだろうかということが、日本の外交関係者にはあると思います。
それから、金大中さんがいらしたとき、この問題で過去に触れたのですが、同時に日韓の絆を歌い上げるという意味でした話があります。金大中さんは日本時代は豊田さんという名前でした。日本の先生について非常に勉強していて、その先生が引退なさった外交官の方だったのですが、その方のところに豊田さんが「先生!」と言って会いに行って、「本当にお世話になりました」という泣かせるドラマを演出して、「日韓いろいろあったけど、いいこともあるよね、これからも一緒にやりましょう」という、ソフトもハードもあるドラマだったのですが。今回、文さんはどうですかね。
飯田)本当ですよね。それどころか、日韓合意がありましたけれども、それに関しても否定的な形で、慰安婦を称える日で演説したり、またゴールポストを動かすのかというようなことをしています。
高橋)この問題は触れずに、何か文書を出すのですかね。河野外務大臣がご意見お願いしますと作った委員会もこの問題の専門家ではなくて、日韓の文化交流の専門家を集めています。いろいろあるけれど韓国のお客さんはたくさん日本に来て下さっていますから、そういう民衆レベルの話をするというのが一つの逃げ道ですかね。
対米、対北朝鮮での共通の問題を語り合い、「日韓融和」というメッセージを出すこと
飯田)そして、朝鮮半島情勢を考えると、北朝鮮を睨んでというところにどうしてもなりますよね。
高橋)そうですね。日朝の橋渡しをして頂きたいなと思います。同時にこれは表向きにはできないと思いますが、イランから石油を買ってくれるなと、アメリカに言われて困っているのは日本も韓国も同じです。せっかくの機会なので、共同歩調を取ってトランプさんに何か訴えるというような、そういう実質的な話もして良いのかなという気はしますけれど。
飯田)いずれにしろ10月来日です。ここでどんな話になるのか。拉致問題については日本も、実は韓国も抱えている問題です。
高橋)そういう共通の、お互いに苦労している問題を語り合うということで、日韓の融和というメッセージが出せれば上出来ですかね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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