金融機関の合併交渉に公正取引委員会が絡んでくる理由

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ニッポン放送「須田慎一郎のOK! Cozy up!」(8月27日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。地銀再編に大きく関わる公正取引委員会の存在について解説した。

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経営統合に関して会見する左から親和銀行の吉沢俊介頭取、ふくおかFGの柴戸隆成社長、十八銀行の森拓二郎頭取=2018年8月24日 写真提供:産経新聞社

地銀再編~福岡と長崎の地方銀行が合併

地方銀行の半数以上が減益か赤字の厳しい状況に置かれるなか、地銀の再編が模索されている。先週末、地方銀行の「ふくおかフィナンシャルグループ」と、長崎の「十八銀行」の経営統合が公正取引委員会に認められ、これをモデルに他の地域でも統合が加速する可能性があるようだ。

新行)これに対してメールもいただいています。船橋市のカナさん(48)からです。「私の故郷である長崎の銀行が、土曜日に『再編で別の銀行になる』と発表されました。だいぶ前に再編する予定と聞いた気がするのですが、なぜ決定にここまで時間がかかったのでしょうか。合併とは、お上の許可が必要になるのでしょうか?」といただいています。

須田)もともと、合併の認可をするのは、監督官庁である金融庁です。今回抵抗していたのは公正取引委員会ですが、ここは「合併そのものを認めるかどうか?」という組織ではありません。独占禁止法という法律があって、それに今回の合併が適っているのかどうか、問題がないかをチェックする組織なのです。もし今回の合併が何も対応せずに実現してしまうと、長崎県内の融資シェアが7割を独占する状況になってしまうのです。
もし我々が企業経営者だった場合、新しい銀行に融資を断られたらどうするか。他に貸してくれるところが無くなってしまいます。そうした独占状態になることを公正取引委員会は問題視したのです。では、なぜ公正取引委員会は今回一転して認めたのか。新銀行が持っている貸出債権をそれ以外の金融機関に譲渡・売却することで、県内の融資シェアを7割から6割くらいにまで下げる、ということをやったため、公正取引委員会が「それなら大丈夫」と一転して認めることになったわけです。

今後は公正取引委員会の天下りの問題にも関連

須田)ただし、ここまで申し上げてきたことはあくまでも「建前」の話です。私は最近、経営統合を実現したある地方銀行トップの方と話をしたのです。取材ではなかったからざっくばらんな話でした。「あのときは困った」と言われたので、何のことか聞きました。
最初は監督官庁である金融庁にあいさつに行ったそうです。「これから合併交渉に入り、経営統合を進めていきたいと思います」と。事前に事務方へは申し出ていたため、そこはスムーズに進んだそうです。
ところが、金融庁の担当官が「ところで頭取。公正取引委員会に、あいさつへ行ってくれたでしょうね?」と言われて。「公取委にも行かなければダメですか?」と聞いたら、「それはそうだろう」と含みのあるような答えが返ってきたそうです。
そして、慌てて担当者に行かせると、「いま頃何しに来た」というような、非常に冷淡な扱いを受けたそうです。だから、県内の貸出シェア云々よりも、「公取委に一言あいさつがないのはけしからん!」というメンツの問題もある。場合によっては、合併交渉をスムーズに進めるにあたり、公取委からも人を入れなければいけないという話にもなってくる。
つまり、シェアを下げる過程において、独占禁止法にきちんと適ったような手続きを踏んでいる結果になるのかどうか。すると人を受け入れ、その都度チェックしていく体制が必要になってくるのではないか。つまり、これは天下りの問題にも関連してくるのです。いままでは金融庁やそれに近い財務省から人を受け入れればよかったのですが、これからは公正取引委員会の顔色も伺わなければ、金融機関の合併交渉はスムーズに進まない。だから、これには役所の権限やメンツの問題が絡んでいるのだと思います。

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