ニッポン放送の「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。苫東厚真火力発電所の復旧について解説した。
北海道胆振東部地震~電力の全面復旧は11月以降に
北海道電力は昨日、北海道胆振東部地震で損傷した苫東厚真火力発電所の全面復旧が11月以降になると発表した。これから寒くなる時期、北海道の日常生活や経済活動にも影響を与えそうである。
飯田)北海道では停電はほぼ解消したものの、需要と供給のバランスを考えるとギリギリの状態が続いています。その上、このところ寒くなってきた。今日は胆振地方、最高気温20℃ということですが、朝晩はかなり冷え込みます。需要が増えてしまうというところで、電力はギリギリです。
高橋)電力は貯めておけない。ギリギリとなると、何かあればまた停電するということになります。経済活動にも影響が出るので心配です。
泊原発を再稼働するという方法
飯田)メールも頂いております、サバ缶さん・館林市、群馬の方です。「苫東の火力発電所、復旧が遅れているようですね。泊原発でまかなうというわけにはいかないのでしょうか? これから先、関東などに比べると、足早に寒くなっていくのではないかと思います。電力の復旧は北海道の経済活動のみならず、道内の被災者の生命保護のためにも求められているのではないでしょうか」というメールです。
高橋)泊原発というのは207万キロワットの、とても大きい原発です。東日本大震災以降、方針により全部止めて、新しい安全基準でチェックする形になっています。その基準でのチェックを100回近くやっており、かなり遅れている。安全基準は重要なのですが、どうしてこれほど時間が掛かるのか。中身を見ると、堤防については全部目処が立ったのですけれど、活断層が存在するかという議論があって。地震の発生は何万年に1回あるのですが、活断層が分かってるところはとても少なくて、日本のほとんどがよく分からない。今回も新しい活断層が見つかりましたが、はっきり言うと、地震が起きると活断層ができているというレベルです。あるかどうかをチェックするだけでも大変なので、この活断層の話を議論しだすと「分からない」という答えがほとんどなのですよ。それでも無いことを証明しないと審査に受からないため、非常に大変なのです。
飯田)活断層の上には原発が建てられないということですから。
高橋)もちろん建てられない。構造物を確実なものにしておけば、最悪は避けられるということは分かっていますが。でも、活断層が活動するのは何万年かに1回ですよね。原発の耐用年数はあと何十年という話です。その間に起こる確率を計算すると、ほぼゼロですよ。
飯田)0.000…と繋がる。
高橋)そういった場合にどこまで要求するのか、バランスのとれた解決が必要ですね。
飯田)それこそ民意が集約されているのは国会ですから。
高橋)そう、国会で議論したらいいと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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