北海道地震~未知の断層の影響か

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月7日放送)に防災危機管理アドバイザーの山村武彦が出演。北海道で発生した地震と、それに伴う土砂災害、停電の状況について解説した。

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地震で発生した北海道厚真町の土砂崩れ。広範囲で土が露出している=2018年9月6日午前、北海道厚真町 写真提供:産経新聞社

想定されていた石狩低地東縁断層帯ではない断層が動いたか

北海道で昨日未明に発生した最大震度7の地震、発生から丸1日が経過した。北海道は今日、地震による死者が合わせて8人と発表した。このうち厚真町で5人、苫小牧市とむかわ町、新ひだか町でそれぞれ1人ずつ。一方、安倍総理は関係閣僚会議で、9人が死亡したと述べている。北海道によると、厚真町で28人が安否不明となっているほか、怪我人は300人以上に上っている。警察や消防、自衛隊などは、20棟以上の家屋が土砂崩れで倒壊した厚真町で、住民の救助活動を夜通し続けた。また、道内には500ヵ所の避難所が設けられ、6,400人以上が身を寄せている。震度7の地震の後、震度1以上を観測した地震は、今日午前6時までに97回に上った。現在も北海道内では200万戸近くで停電が続いており、北海道電力管内全域の電力が復旧するには少なくとも1週間程度かかる見通し。なお、北海道は前線が通過する影響で、明日にかけて断続的に雷を伴った雨になる見込みで、気象庁では土砂災害警戒情報や警報の基準を引き下げ、土砂災害などに対する注意を呼び掛けている。
交通機関について、新千歳空港は電力の供給が始まり、今日の国内線の運航再開を目指している。鉄道は、JR北海道によると、停電が続いている影響で、北海道内のJRの在来線と北海道新幹線は少なくとも今日午前中まで運転を見合わせるという。

飯田)防災危機管理アドバイザーの山村武彦さんに今回の地震についてお話を伺います。
今回の地震の特徴、どういったものが挙げられますか?

山村)地震というのはその都度顔が違うのですけれども、今回の地震はマグニチュード6.7と、地震の規模を示すエネルギーとしてはそれほど大きくはないのですが、非常に広範囲に大きな影響を与えました。今回は内陸部の地殻のなかで起こった地震ですが、断層地震ともちょっと違うのです。断層地震だともう少し浅いところなのですけれども、地震の震源の深さが37キロというのは非常に微妙な深さであって、いままで想定されていた石狩低地東縁断層帯が動いたとは思えないのです。もしかしたら未知の断層か、あるいは断層の下の方で動いたということが言えるかもしれません。

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地震で発生した北海道厚真町の土砂崩れ=2018年9月6日午前8時35分(共同通信社機から) 写真提供:共同通信社

台風、地震、地盤の全てが重なったことで大規模な土砂災害になってしまった

飯田)そしてもう1つ、被害が大きく出たのが厚真町や安平町などで起きた土砂崩れですが、映像を見ると山という山で土砂崩れが起こっているようにも見えましたが、どういった原因があったのでしょうか?

山村)大きく2つあると思います。1つは、非常に激しい地震だった。特に真上では、震度7を記録するほどの非常に強い揺れを感じたのだと思います。離れたところよりも震源に近い方が大きく揺れるわけですが、にも関わらずこの場所が震度7というのは大変大きな揺れです。そして、もう1つの大きな要因は、21号台風が前日まで雨を降らせていて、雨を含んだ地盤の多くが火山性の砕屑物、つまり火山灰や軽石が風化したものが表層を覆っていた。火山性のものは、風化して落ち着いてくると粘土質にもなるのですが、下の地盤は粘土系の地盤で少し固めになっていて、その上に表層の風化した土が覆っていたと思われます。2mくらいの表層崩壊というもので、雨を含んだ表層の地盤が、大きな強い力で一気に滑り落ちてしまったと。場所によっては40キロくらいのスピードで落ちたという感じがします。
樹木もろとも轟音を立てて一斉に、同時多発的な土砂災害が発生したものと思われます。

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