富田林署逃走事件~逮捕が遅れた2つの反省点

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月1日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。富田林署逃走事件から見えた警察の反省点を解説した。

富田林署逃走犯は日本一周の男性と一緒に行動していた

大阪府富田林警察署から逃走して、一昨日山口県周南市の道の駅で48日ぶりに逮捕された樋田淳也容疑者(30)は、自転車で日本一周している男性と一緒に、カモフラージュして行動していたことが分かった。
しかし、男性は「樋田容疑者とは知らなかった。付いてきて、鬱陶しかった」と供述している。

飯田)「府警としては胸をなで下ろしている」というような報道もありましたが、48日ぶりの身柄確保は、偶然の出来事だったようですね。

須田)府警が追いつめて、所在確認をして逮捕したわけではない。たまたま、偶然捕まったわけですから。大阪府警としては胸はなで下ろすけれど、メンツ丸潰れだと思います。

反省点その1~公表した写真と逮捕時の人相がまるで違った

須田)いくつか反省点があります。よく言われているのは、当初大阪府警が提供した顔写真と、逮捕時の人相がまるで違うことです。一緒に行動していた人も気付かなかったし、道の駅で万引きを捕まえた担当者も気付かなかった。これも反省点だと思います。
どういうことかと言うと、あまりにリアルなモンタージュや顔写真、精緻な似顔絵などを最初に出してしまうと、イメージがそこに引きずられてしまい、変装するとまったく分からなくなってしまうケースがあるからです。最近は若干、何となくのイメージの似顔絵で探す手法が取られていますが、今回は全く分からなかった。

飯田)昔は駅に写真がバンバン貼ってありましたが、あまり見なくなりましたね。

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反省点その2~逃走直後に防犯カメラの映像が入手できなかった

飯田)いくつも防犯カメラなどがあるとはいえ、これだけ逃げおおせてしまい、しかも四国にも入っていたという話もあります。

須田)初動のミスが結果的に尾を引いてしまった。これは笑い話にもならないけれど、逃走直後の日が土日にかかっていたために、防犯カメラの映像が月曜日まで入手できなかった。ずいぶんのんびりしています。当初は「お金も所持品もないし、いずれ繁華街などで身柄確保できるだろう」と甘く見ていたのだと思います。

飯田)ところが、その後長期逃亡となった。

須田)今回、いくつも反省点があります。

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防犯カメラの情報統合できず、技術はあっても運用面で送れる日本

飯田)防犯カメラの話も、ああいう場合で警察は「捜査があるから!」と強制権のようなものは使用できないのですね。

須田)肖像権の問題もありますからね。きちんとした手続きを踏まなければならないのですが、「それにしてもなぁ」という感じです。「一緒に付いてきて鬱陶しかった」というコメントがありますが、もし男性が途中で気付いて何かあったら、いったい誰が責任をとるのか。

飯田)警察の人に取材をすると「防犯カメラはたくさんあるが、それを統合して監視することが日本の法律ではできない」と、頭を抱えていました。

須田)これは相次ぐテロ被害のために致し方ないことですが、ロンドンなどでは統合した形で情報収集ができるのです。他国はどんどん進んでいるのに、日本だけ技術はあるけれど運用面で遅れているケースがたくさんあります。それをもう1度考える必要がありますね。

飯田)日本は顔認証システムの技術などはすごいですからね。

須田)しかし、それが人権によって使いきれず、活用できていない状況にあるわけです。

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