経済を中国人観光客に頼ってはいけない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月2日放送)にジャーナリストの有本香が出演。建国記念日である国慶節を迎え、大型連休に入った中国人観光客について解説した。

国慶節を迎え大型連休に入った中国人観光客

昨日10月1日、中国では建国記念日にあたる国慶節を迎え、今週日曜までの大型連休に入った。今年、国慶節における国内旅行者の数はおよそ7億人。また、中国本土以外の旅行者は過去最多のおよそ700万人となっている。

飯田)中国の大手旅行会社Ctripによると、大型連休の中国本土以外、海外の人気旅先1位は日本だそうです。

有本)そうですね。有楽町界隈も含めて、毎年この時期になると中国からの観光客が増えます。この時期は春節、旧正月ですよね。建国記念日と言われていますが、中国の外務省が国民に「文明的な旅行をしろ」と呼び掛けているのです。最近も外国でマナー違反なことをすると顰蹙(ひんしゅく)を買う場合もありますから。しかし、それに対して「文明的な旅行をしろ」とわざわざお達しするのもおかしな話です。

中国人にとって日本やタイは行きやすい国

有本)近場が人気ということですが、貿易摩擦の関係か、やはりアメリカに行く人は少ないという話です。ただ私はずっと感じていますが、近場と言っても、例えば香港は一国二制度下ですし、タイも早い時期からノービザですから、中国の観光客は入り続けています。中国人にとって非常に身近な、「ちょっと行こうか」という観光地ですよね。韓国も早い時期から中国の観光客が押し寄せている地域です。

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中国人の入国に厳しいアメリカ

有本)アメリカは中国人の入国が大変です。日本が事実上、中国人の個人旅行を許したときにアメリカは厳しくて、個人で入国するのが大変でした。グループツアーが出始めた10年ほど前も、日本は書類審査でビザが取れましたが、アメリカの場合は、参加者のなかから抜き打ちで領事館へ面接に来いと言う状態です。むしろアメリカの小売業界などは、爆買い需要がありますので、もっと中国人を入れてくれと政府に要望があったくらいです。逆にここへ来て、アメリカ国内でも中国に対しての警戒感が強まっていることもあり、前ほどそういう声が高いとは聞いていません。日本やタイは、中国人にとって来やすいところなのです。

飯田)来やすいから来る、人気になる、ということですね。

有本)基本的にビザがいらない、ノービザに限りなく近い。

何かあると引き上げてしまう中国人観光客

飯田)しかし韓国もそうですし、最近だとスリランカやモルディブに中国の観光客が押し寄せると、「お前たち、これで経済を潤してやっているんだぞ」ということがあります。「何かあったら引き上げるぞ」という。尖閣の漁船衝突があったときの日本もそうでしたよね。

有本)ありました。一気に1万人くらいが来なくなってしまう。

飯田)不思議なことが起こる。

有本)いちばんやられているのは台湾です。蔡英文政権になってから締め上げられている。台湾も馬英九政権のとき、経済は全部中国頼みになっていました。特に観光客については、中国頼みという部分がすごくありましたから、そういう点では中国人観光客がいなくなって困る雰囲気もあるのですが、近年、日本から台湾に行く人は増えています。
様々な要因がありますが、中国の場合、国が蛇口を閉めようとしたら止められてしまうという点があります。だから中国観光客頼みになるのは怖いのですね。

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