日本と東南アジアの5ヵ国首脳会議~3年前とは異なる中国情勢

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月10日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。昨日開催された日メコン首脳会議について解説した。

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フォトセッションに臨む(左から)カンボジアのフン・セン首相、ラオスのトンルン首相、安倍晋三首相、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相、タイのプラユット暫定首相、ベトナムのグエン・スアン・フック首相=2018年10月9日、東京都港区の迎賓館[代表撮影] 写真提供:時事通信

3年前と大きく変化した日本とメコンと中国との関係

日本と東南アジアのメコン川流域の5カ国による首脳会議、日メコン首脳会議が昨日開催されました。会談では安倍総理が掲げる自由で開かれたインド太平洋戦略に向け、連携していくことで一致。新たな指針となる東京戦略2018を採択した。

飯田)この日メコン首脳会議ですけれども、チラつくのはここにはいない国ですが、メコン川の上流に位置する中国に対してどうしていくかという辺りも睨みながらという会議になったようです。

高橋)中国の話を見ると、「東京戦略2018」というのは興味深い記述があります。中国と名指しはしませんでしたが、南シナ海の話について中国をけん制した文章が入っているのですよね。こういう文章があるときは、その前の文書も読んだ方が良いです。3年前の「東京戦略2015」というものもあって、その変化を見た方が良い。そうするとよく分かるのですが、3年前の文章を読むと、中国の話についてトーンが違う。そこには「日中メコンの対話」と書いてあります。中国をなかに取り込んで、一緒にやりましょうというムードなのです。
今回の2018になると全く逆で、名指しはしないけれど、日中メコンの対話は一切出て来なくて、中国を敵視する感じになっています。この3年間で様変わりしました。これは大分大きな変化で、中国に対してメコンの人たちに、南シナ海の話の危機がどんどん顕在化してきたので、その変化を安倍さんも掴まえて、今回の文章に織り込んだのだと思います。

飯田)情勢の変化。

高橋)ええ。3年間で、随分違います。

飯田)3年前、アメリカはオバマ政権。

高橋)オバマ政権。中国も一緒に入れてやろうというムードだったのでしょう。それが様変わりになって、名指しこそしていないものの、あれを読めば中国のことだとすぐに分かるような感じになっています。

着々と中国への包囲網を築きつつある安倍政権

飯田)最近そういうレトリックが多い気がして、日米首脳会談の後に出されたペーパーの6つ目の項目にも、第3国の公正な経済取引や貿易を守って行こうと。

高橋)おまけに知的所有権の収奪というようなことが書いてあって、びっくりしました。日米でそんなことを言うなと中国は思うでしょう。日米の話なのに、なぜ中国を名指しでやっているのだと。

飯田)名前すら出てこないですけれど。

高橋)だから「名指ししている」と言うと、「いや何も書いていません」としらばっくれるのですけれどね。

飯田)「これは一般論です」ということになるのですかね(笑)。

高橋)読めばすぐに分かりますが(笑)。だから今回の日メコンでも、大分様変わりしていて、中国の包囲網を安倍さんが着々と築きつつあるなと思いました。

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