立憲民主党が衆参両院の野党第1党に~囁かれる橋下徹氏の名前

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月25日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。野党結束の現状と今後について解説した。

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政治 両院議員総会で発言する立憲民主党・枝野幸男代表=2018年10月24日午前、国会内 写真提供:産経新聞社

臨時国会~与野党攻防の行方は

立憲民主党は臨時国会が開会した昨日、両院議員総会を国会内で開催。一致結束し、与党との対決姿勢を鮮明にすることを確認した。立憲民主党は衆参両院共に野党のまとめ役、野党第1党となり、臨時国会での与野党対立はいっそう深まりそうだ。

飯田)いままでは、参議院は国民民主党が野党第1党でしたが、長浜元環境大臣が移りました。党には入れないため、会派に入りました。そして、野党第1会派が参院でも立憲民主党になりました。これは、様相が変わりますか?

鈴木)立憲が第1党になる動きは予想されたことです。しかし、こういう1人、2人が移動したという問題ではなく、野党に突きつけられているのは、「どれだけ1つの大きな固まりになるのか。互助会的な緩い結びつきでいいのか?」ということです。来年の参議院選挙を考えると、選挙協力は1人区でやる流れができているからいいのですよ。2人区がどうなるのかのステージに上がっていますが、比例はどうなるのか。緩やかな結束ではなく、統一名簿みたいなものを作るとか、政党をまた1つにするくらいの結束がないと、なかなか安倍政権退治はできません。しかも、自民党は安倍さんが任期満了しても、次の世代交代の「スター」がどんどん出ている。野党としても、ここで1つにならなければいけない。それが試されるのが今度の臨時国会と、来年の通常国会です。来年夏の参議院選挙までの間に、どれだけ具体的な固まりが作れるかがポイントになります。

立憲民主党は野党を後ろで支えるというズルさとしたたかさを持つべき

鈴木)野党第1党は野党をリードしていく。でも、それは永田町的にはやるべきことが違うと思うのです。「第1党がいちばん数があるから、グイグイ引っ張って行く」というイメージですが、永田町は「できる限り強い人が後ろに回る」のです。それでしっかり支える。自分が出しゃばるのではなく、後方で盛り上げていく。これはかつての自社さ(自民党・日本社会党・新党さきがけ)連立政権がそうでしたが、いちばん数があって猛者がたくさんいる自民党が、いちばん声を潜めて後ろに回り、社会党を全面に出して、村山さんを総理にしました。当時、「よくこの人たちが黙っているな」と感じる自民党の大物がみんな後方で支えていたでしょう。だから、自社さ政権はできたのです。
第1党の立憲こそ、いちばんその辺をうまく気遣いながら「後ろで支えるぞ!」という空気を見せれば、おそらく流れはガラッと変わると思います。それが正しいかどうかは別として、その辺のしたたかさをもう少し立憲は持ってもいいと思います。確かに筋を通してここまで支持されて来ましたが、これから権力闘争になってきた場合、その辺のズルさ、したたかさを発揮してもいい気がします。

飯田)代表の枝野さんは、その「後ろに控える」を意識していると思うこともありますが、国対委員長の辻元さんはもともと目立つ人だからかテレビカメラがどうしても集中するし、なかなか難しいですね。

鈴木)自民党が上手いのですが、役目があるのです。枝野さんが現実主義的で後ろに回るけれど、その分、辻元さんは役目としてガンガンやるとかね。自民党はそういう役割分担をよくやるのです。それらを考えて話した上での役割分担なのか、それとも統制が取れずに好き勝手やっているのか。その辺が見えてこない。
「結束するか否か?」について取材していて思うのは、根っこにあるのはやはり感情的なものですよ。去年の希望の党結集のときに外されたとか、選挙資金を絶たれたとか。根にはそれがあります。でも、それに拘っていたら、結局野党は自滅します。

野党結集の軸として噂される橋下徹氏

鈴木)橋下徹さんが本を出して、「野党はどうあるべきか」についてかなり言及していますよね。

飯田)そちらの方に踏み込んで書いていますね。

鈴木)そうですよね。永田町では「橋下さんが野党結集のために、新たな軸になることを考えているのではないか?」と、橋下さんの名前が取材をしていると出て来ます。

飯田)橋下さんが顔になるには、国会議員のバッジが必要ですよね?

鈴木)「次の参議院選挙に出て新党を結集するのでは」と言う人もいます。私は本人に話を聞いていないから何とも言えませんが、永田町では勝手に橋下徹さんの名前が出ています。でも、それもこれも野党の結集がなかなか進まないのが原因です。

飯田)その辺について橋下さんの本を読むと「野党結集のなかで共産党をどうするか?」というのが1つありますね。思想というか政策的にしっかりしたものがあるから、こことやるかどうかが野党結集で必ずテーマになりますよね。かつて小沢さんが90年代にやったのは、非共産で8党連立。少し前までは共産も含めた市民連合の形です。どうなるのでしょうか?

鈴木)小沢さんは共産党が一緒の党になるとは思っていないと思います。ある意味で連携という形をイメージしている。何もかも一緒に1つの党にするのは無理ですから、その辺をどこまで1つの党にして、現実対応としては共産党をどう噛ませるか。小沢さんはこの辺の技はなかなかのものだし、関係も築いていますから。「いずれ橋下さんと小沢さんが話をするかもしれない」と言う議員もいます。
善し悪しは別にして、野党結集が進まないのは、この問題がベースにあるのです。これをキッチリやらないと。いい野党がいなければ、緊張感もなくなり、いい政権与党ができませんから。そのためにも、今度の臨時国会、通常国会では具体的な動きを見せてほしいですね。

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