日中首脳会談~中国が日本に期待するのは米中関係の改善協力

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月29日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。日中首脳会談の報道から、新たな局面を迎えた日中関係について解説した。

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日中平和友好条約締結40周年記念レセプションでスピーチする安倍晋三首相(壇上中央)=2018年10月25日、中国・北京 写真提供:時事通信

習近平国家主席が拉致問題解決へ協力を約束

中国北京で先週金曜日に行われた日中首脳会談。安倍総理が北朝鮮による拉致問題に関する協力要請をしたところ、習近平国家主席が「拉致問題解決を促進する役割を果たしたい。日朝対話促進のためにも役割を果たしたい」と応じたことが分かった。習主席は、対北朝鮮経済制裁の継続も約束したと判明している。

飯田)一般的に中国は北朝鮮に対して影響力を持つと言われていますが、どうですか?

須田)米朝協議は北朝鮮としては中国の後ろ盾があるから、アメリカとの交渉ができています。中国としても、中国の影響力のない北朝鮮単独の状況のなかで、米朝対話を進められては、朝鮮半島の安定化の点で中国にとってマイナスだから、そこはグッと縛り付けておきたいのだと思います。

中国はアメリカとの関係改善の協力を日本に望んでいる

須田)この話題で基本的に考えないといけないのは、アメリカなのです。アメリカの東アジアに対する基本的な戦略の大前提は「日中連携を許さない」ということです。だから、どちらかと言うと、アメリカの民主党政権時代は、日米は冷却状態におかれ、米中が非常に強い連携を持っていました。それに対して共和党政権は日米の連携強化に動く。そういう傾向があります。
とはいえ、日本としては中国との関係を対立的状況にして、日米連携だけ強めていけばいいのかと言うと、そうではない。日本としてはアメリカを横目に睨みながら、中国との間合いを計っていく必要があると思います。特に今回の場合、中国にとって米中関係が緊迫した状況になっていますよね。アメリカは単なる「貿易戦争」という経済のレベルではなく、完全に安全保障問題もはらんでいます。中国はアメリカとの貿易で大きく黒字を得た。その多くが外貨準備高として積み上がっていく。その背景に一帯一路や、南シナ海の軍事化の資金として使われていくわけです。それにアメリカは気付いて、楔を打ち込む動きを見せています。そこで、中国としては日本に「アメリカとの関係改善、融和に協力してほしい」という、ある種の下心があるわけです。「では、アメリカとの間でどういう話をしていくのか」が、いまの日本にとって最重要ポイントです。
本当はいちばん知りたい部分ですが、中国が日本に対して、対アメリカのどのような要請や期待をしたのかは、残念ですが今回表には出ていません。

安倍総理は日中関係を“大人の関係”にシフトさせようとしている

飯田)そこに関してはあまり報道されていない。「貿易の自由を守る」とか、原則的な部分だけですね。でも、裏ではかなりいろいろあるのでしょうか?

須田)そう思います。中国の電子部品や電子機器の、国内ナンバー2の国営企業に対するアメリカの制裁は、ものすごく効いているのです。日本も中国に対して、技術移転や知的財産に関して物申して行かなければならない。日本も被害者ですからね。利害関係としては日米で連携しているはずですから、そこに対して中国側からどのような譲歩を引き出すか。それが1つポイントになると思います。

飯田)一方で、ウイグル人問題などの、人権の面に関しては、総理も一言、李克強首相に言ったようです。甘い顔だけではなかったのでしょうか?

須田)日中間も新しい局面を迎えています。外交はオールオアナッシングで白黒をハッキリさせるわけではありません。ある部分では鋭く対立していても、日本にとって、利益の部分で手を結ぶような大人の関係です。安倍さんはいよいよ日中間も、これまでは一方的に譲歩で顔色を伺う部分がありましたが、そうした大人の関係にシフトさせようとしているのだと思います。

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