片山さつき大臣と桜田義孝大臣に集中砲火~官邸の見極めは年内中
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月15日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。片山さつき大臣と桜田義孝大臣をめぐる今後の国会の展開ついて解説した。
衆議院内閣委員会~片山・桜田両大臣に質問集中
昨日の衆院内閣委員会で、片山さつき地方創生担当大臣と、桜田義孝オリンピック担当大臣に野党の質問が集中した。
今井雅人衆院議員)これ以上収支報告に間違いはないですね?
片山大臣)おもに、政治連盟を持つ団体からの寄付が多いのですが、それにつきましては私がすべてチェックしていましたから、それ以上ないと我々は考えています。
桜田大臣)私は25歳のときから、自分で独立してやっていますから、そういうことについてはつねに従業員、あるいは秘書に指示することでやっていますから、自分でパソコンを打つということはありません。
今井議員)パソコンをいじったことのない方が、サイバーの空間のセキュリティー対策をするなんて、とても私には信じられません。
桜田大臣)私の事務所、あるいは国が総力を挙げて総合的にやること。落ち度はないと、自信を持っています。
飯田)片山大臣には政治資金収支報告書の訂正の件について。桜田大臣はオリンピック担当ですが、サイバーセキュリティー担当大臣も兼務しているということで、それについても質問があった。いろいろな議論が続いています。
飯田)特に、桜田大臣についてはパソコンを使ったかどうかで大臣の資質を問うのもどうかと思いますが、いかがですか?
鈴木)最近いろいろな意見を聞きますが、桜田さんの場合は人柄もありますね。ついつい正直に言ってしまう人です。このパソコンの話も、もう少し上手く言えばいいのに、「自分は使って打ち込んでいない」と正直に言っている部分もある。でも、大臣の人柄と資質は、ちゃんと分けて考えなければいけないと思います。
私は桜田さんについては、この前の「1,500億円を1,500円と言った」とか「汗だく答弁」とか、「オリンピックの基本理念3つを言えるか」とか言われていますが、問題はこういう部分ではないと思うのです。言い間違いは誰にでもあるし、基本理念も、小難しい文書を全部覚えられるのかという話です。私はそういう部分を取り上げるべきではないと思います。
桜田大臣の問題はオリンピック予算について「理念と方向性を持って挑んでいるか」というところ
鈴木)桜田さんの問題は、予算の部分だと思います。オリンピックに関して予算は根幹の問題と言ってもいい部分なのですよ。この予算は本当に紆余曲折、二転三転して、国と東京都がどう負担するか、国立競技場の問題は安倍総理まで出て来て、その見直しをやりました。
それから、世界に対して「コンパクトなお金のかからない都市型オリンピック」は、1つの東京の売りなのです。オリンピックはどんどんお金がかかるから、やりたいと思う国が少なくなって来ている。永続性を考えると「できるだけコンパクトにやる」はポイントなのです。それが「赤字になるかもしれない」と会計検査院が指摘して、大問題になっている。申しわけないけれど、せめてここはキッチリ勉強して、理念も含めてどうするべきか、方向性をしっかり持って答弁に立たなければいけなかった。この辺も官僚任せだったのでしょう? 問題は「1,500円」と言った部分ではない。もっと本質でやるべき部分を本当にやっているかです。そこは、桜田さんは厳しく問われても仕方がないと思います。
片山大臣の説明責任~国民が納得して初めて説明責任を果たしたことになる
鈴木)片山さんについては、個人的に2回くらい取材をしましたが、「とにかく説明責任を果たさなければいけません。一生懸命やります」と言っています。今度の国会は片山さんに関する法案はないのです。だけど、「自分にとってはつねに質問される国会のつもりで説明責任を果たす」と言っていますが、次から次へいろいろなことが出て来る。全部グレーなのですよ。いい悪いではなく、「法律的にどちらとも取れる」とか「明らかに違反だけど時効」とか。だから、説明責任はものすごく大きい。これは本人が「ちゃんと説明している」と思っても、果たしたことにはならないのです。聞いている国民が納得して初めて、説明責任を果たしたことになる。本人がちゃんとしているつもりでも、納得してもらえなければ意味がない。その辺でまだズレがあると思います。
両大臣に対して官邸がどう動くか~見極めは12月中に行われる
鈴木)もう1つは、園遊会の話です。これは安倍さん周辺の人に聞いた話ですが、片山さんが総理に挨拶というか、今回の件の説明をしたら、総理がフッと笑っていたそうです。これをどう見るか。片山さん側としては、「分かりました。しっかりやって下さいよ」という意味の微笑みと思うでしょう。しかし、安倍さん周辺の人には「いや、これはちょっと突き放している感じの笑いです」と言う人もいる。つまり、今度の両大臣の問題は普通なら危機管理の問題で官邸が介入して助けるけれど、ちょっと距離を置いている感じです。
官邸としては2人とも二階派ですから、二階派マターということで「二階さんの責任だからちょっと頼みますよ」と、ある種の力関係ですよ。「二階さんは、自分が推薦した議員が変なことをやらかしてしまったら、官邸に借りができるではないですか。そうすると、官邸としては二階さんに対して優位に立てる。そういう感じの距離感ではないか」と言っている側近もいます。「どちらにしても、世論の支持率が下がったら動かざるを得ないから、その辺の見極めは年内」と言っていました。このまま行けるか、マズいか。年を越すと通常国会はすぐですからね。
飯田)1月4日召集、という話もありますからね。
鈴木)参院選挙もあるし、いろいろ判断が必要ですね。もちろん、このまま継続もありますが、何かあったらどうするかの判断は12月が1つの節目になるだろうな、というのが安倍さんの側近の方の話でした。
飯田)先ほどもニュースで「10日間くらいの臨時国会延長もあるか」という話がありました。そうなると、暮れギリギリまで審議している可能性があるわけですね。
鈴木)ただ、片山さんはグレーの話だし、桜田さんは事件を起こしたわけではない。だから、「国会を乗り切れば」ということはあるでしょう。
ただ、やはり世論ですね。ここが納得するかどうか、見極めようとするなら年内ということでしょう。
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