遠藤憲一、今度の相棒は小学生!?
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第516回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、11月16日から公開の『アウト&アウト』を掘り起こします。
元ヤクザの探偵&小学生の女の子、異色のバディ・ムービー
日本最大の暴力団・菱口組最高幹部の側近だった矢能政男は、いまではヤクザ稼業から足を洗い、訳アリで預かっている小学2年生の少女・栞とともに探偵事務所を営んでいる。そんな矢能のもとに「“取引”に立ち会ってほしい」と依頼の電話が入る。彼が指定された場所に向かうと、依頼人はすでに拳銃で撃たれ、死体となっていた。容疑者にされかねない状況に矢能はすぐさま対処しようとするが、事態は思いがけない方向へと進んでいく…。
映画化された「藁の楯」などで知られる小説家“木内一裕”は、かつて「BE-BOP-HIGHSCHOOL」で一斉を風靡した漫画家で、映画監督としても活躍する“きうちかずひろ”だということをご存知でしょうか。一癖も二癖もある魅力的なアウトローたちが登場する痛快なエンターテインメント小説の名手である彼が、自身の小説「アウト&アウト」を監督として完全映画化。痛快な疾走感がたまらない、至極の犯罪エンターテインメントムービーが誕生しました。
主人公の矢能政男役には、映画・ドラマ・CMに引っ張りだこの遠藤憲一。最近では情けない男やコミカルなキャラクターを演じることも多いエンケンさんですが、本作では持ち味の“コワモテ”ぶりを発揮。圧倒的な存在感で元ヤクザの探偵を演じています。
そして矢能の相棒となる小学2年生の少女・栞役には、ドラマ「とと姉ちゃん」の青葉ちゃん役で全国的な人気子役となった白鳥玉季。どちらが大人でどちらが子どもか分からない、2人のやり取りは可笑しくもあり可愛らしくもあり、必見です。共演には要潤、岩井拳士朗、高畑淳子、竹中直人と個性派俳優が集結。作品をより華やかに彩っています。
大人の男たちが織りなすハードボイルドな世界観が魅力の本作ですが、それだけではなく、矢能と栞による人間ドラマも見応えたっぷり。血のつながらない少女との絆と愛情が丁寧に描かれており、思わずホロリと涙するシーンも。そして大どんでん返しが待ち受けるラストまで目が離せない1作です。
アウト&アウト
2018年11月16日(金)からTOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
監督:きうちかずひろ
原作:木内一裕 「アウト&アウト」(講談社文庫刊)
脚本:ハセベバクシンオー、きうちかずひろ
出演:遠藤憲一、岩井拳士朗、白鳥玉季、小宮有紗、中西学、酒井伸泰、安藤一人、渡部龍平、渋川清彦、成瀬正孝、阿部進之介、竹中直人、高畑淳子、要潤 ほか
©2017「アウト&アウト」製作委員会
公式サイト http://out-and-out.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/