ゴーン氏逮捕で3社合議制に~できることとできなくなること
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月30日放送)に外交評論家・キャノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。日産・三菱・ルノーの3社トップ協議について解説した。
日産・三菱・ルノーが3社のトップ協議を開催
日産自動車、三菱自動車工業、ルノーのグループ3社の経営トップによる協議が、カルロス・ゴーン前会長の逮捕の後初めて行われた。協議を受け、3社は共同で「アライアンスは20年間、他に例を見ない成功を収め、3社は引き続きアライアンスの取り組みに全力を注いでいく」というコメントを発表している。
飯田)一部報道では、これから先の意思決定はこの3社トップの合議制によるなどと言われています。
宮家)それはそうでしょうね。本来、ゴーンさんがいなければこの3社がアライアンスを強めるのであれば、対等の立場でやるのがあるべき姿ですから、それに戻っているということですね。いままでが非常にユニークな状況で、カルロス・ゴーンさんが3社の実質的なトップで有り得たから、3社を束ねるとなると、ある程度強引なことをしなければいけない場合もあります。彼は独裁的だと批判されるけれど、強いリーダーシップでこの3社をいままでまとめて来たのですよ。だけど、彼がいなくなれば3社は別々ですから、3社のCEOはそれぞれの利益を最大化する責任を持っているのだけれど、アライアンスのために犠牲を払うのかと言うと、株主が別々にいるからそれは難しい。
飯田)そうですよね。株主から訴訟を起こされる可能性だってありますよね。
宮家)ゴーンさんが独裁者だったからできたことを、この3人にやれと言うのは無理な話です。これはビジネスの世界ですから、フランス政府が言うことではありません
介入したいフランス政府
飯田)フランスのマクロン大統領が、安倍さんと直談判するみたいな話があります。
宮家)ビジネスの話に政治が口を出しちゃいけないです。むしろビジネスの損得は良い意味で非常にわかりやすいですから、この3社のなかで議論をした上で、ゴーンさんがやって来た独裁的なことができなくなる反面、3社が相応に譲歩する形でアライアンスを続けて行くのは、決して悪いことではないと思います。
飯田)日産は技術もいっぱいあるし、車を売っている台数や利益もルノーより上というところがありますが、単独で世界と戦うのはなかなか難しい話ですね?
宮家)そうですね。実際に株の40%以上をルノーが持っていますから。その連携を破棄する必要は無いと思うけれど、乗っ取りとか実質的な子会社化とか滅茶苦茶なことを言い出せば、反発するのは当たり前です。フランス政府がいろいろ言っていますが、当たり前のことですよ。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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