武田薬品がシャイアー買収~生き残るために正しい選択
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月6日放送)にジャーナリスト・東海大学教授の末延吉正が出演。武田薬品のシャイアー買収について解説した。
武田薬品がシャイアーの買収を正式決定
アイルランドの大手製薬会社シャイアーの買収は、昨日行われた武田薬品工業の臨時株主総会で株主の承認を得て決定したもので、買収額はおよそ7兆円。早ければ来年1月8日にも買収手続きが完了する予定で、世界のトップ10に入る製薬会社が日本に初めて誕生することになる。
飯田)7兆円と。武田薬品単体の売り上げは3兆円ということなのですが。これは相当な負担になるわけですか?
末延)だから創業家が外国人記者クラブで記者会見をして、反対して来た。だけど俯瞰して見ると、武田薬品もシャイアーもずっとランク下位なのですよ。
飯田)10位後半、20位近くですよね。
末延)トップ10入りして大きくならないと、生き残れないですよ。特許が平均20年位です。研究が平均で10年位かかると。失敗する場合もあるじゃないですか。新薬開発の資金をどのくらい持てるか、というところに掛かって来るのですよ。
飯田)規模の経済が働くわけですか。
末延)間違いなくそうなのです。銀行や何かを見たって、我々は頭のなかを入れ替えて行かないと、ある程度のリスクは取っても規模のメリットということでいかなければ製薬業は生き残れないので、僕はこの選択が正しいと思います。
先端技術を追い続けることが生き残る道~資金が必要
飯田)市販薬のイメージがあるけれども、それよりは生薬など先端のものの方が利益は大きいということでしょうか。
末延)世の中はイノベーションが起きていろいろなものが開発されて、より付加価値の高いものに行かないと、薬も生き残れないですよ。僕も地元の山口に武田薬品の工場があって、就職先として新日鉄か武田薬品へ行ければ良いなんて言っていました。非常に良く知っているのだけれど、俯瞰して見たときにはネットのサイバー空間で戦いをしているような時代です。ある程度の規模を持って、新しいものを作る。世界のトップに立って行く判断をしないと、日本はどんどんしぼんでいってしまうのですよ。
より細かくより俯瞰して大きくということを考えると、シャイアーの買収は自然な流れだし、こういう決断で良いと思う。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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