武田薬品がシャイアーを買収~その裏にある事情

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5/9F M93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ! ④

武田薬品がシャイアーを買収
7:43~:ココだけニュース スクープUP!コメンテーター高橋洋一(数量政策学者)

買収によって武田薬品は世界シェアトップ10入りも目指す

武田薬品が昨日、アイルランドの製薬企業大手シャイアーの買収で合意したと発表した。買収額はおよそ7兆円で、日本企業の企業による海外企業の買収では過去最大の案件となる。

飯田)武田は国内の医薬品業界では売上高首位ですが、世界でみると17位前後ということで、シャイアーとの合併で世界シェアトップ10入りを目指すということだそうです。大きな決断だったと報じられています。

高橋)武田薬品というと、日本の老舗のメーカーというイメージがありますけど、3〜4年前からオーナー一族が全部経営から退いて、今の経営陣の半分が外国人です。ほとんど外国企業と同じです。今の外国企業のやり方というのは、特に製薬に関していうと、自社で開発しない。新薬についてはどこかの企業から買ってくるという方針を取ります。そういう世界の潮流から見ると、今回の買収は普通のやり方です。このくらいのリスクを取らないと、後で経営が大変になってくる、そういうことだと思いますよ。日本の企業から見ると買収額の大きさにビックリしますけど、世界規模でみると普通。そのギャップが面白いですね。

飯田)新薬の開発というのは相当お金も時間もかかるものですよね。

高橋)だから自分の会社では作らず、有望な企業を買って、というパターンが多いんです。リスクがあるんだけど、こういう形で経営しないと生き残れないというくらい、厳しい業界でもあります。

飯田)高齢者はこれから日本でも増えて、薬を必要とする人は増えていきますけど、人口はこの先減っていく見通しであると考えると、海外へ打って出るという方法しかないかったということでしょうか。

高橋)しょうがないですよね、これで金利負担について警戒する人も出てきますけど、ある意味でビジネスですから、それもやっていかないとダメになるという認識なんでしょう。
それが武田薬品が老舗のオーナー企業だったのが数年前から脱皮しているということです。これがうまくいくかどうか、ビジネスは分かりにくいですけど、せざるを得ない、という状況になっているんだと思います。

飯田)日本の報道を見ていると、リスクのことが大きく報じられていて、大丈夫か? という感じです。

シャイアー ジャパン

希少疾患や特殊疾患のリーディングカンパニー(シャイアー・ジャパン株式会社HPより)

大型買収は世界では常識

高橋)それは日本的な考え方です。世界企業の経営だと、こういうリスクは当たり前。それをやっていかないと成長しない。うまくいくかどうかはやってみなきゃ分からない、というレベルの話だと思います。

飯田)ある人がTwitterで呟いていたんですけど、日本の経済が成長しなくなって怖いのは、未来に向けての投資が出来なくなることだと。

高橋)それは最悪ですよね、ほとんどジリ貧という形でね。今、日本の環境というのは低金利ですから、こういう時こそ未来への投資が必要で、それにはある程度のリスクが伴いますけど必要なことだと思いますよ。

飯田)こういう大型買収という話が出てくるのも、将来に対して悲観的、縮こまるのではなくて、打って出ようと、前向きな人も増えてきているということでしょうか。

高橋)前向きにならないと、ジリ貧になってダメになるものですから。このような投資を続けていくと、数打てば当たると思いますよ。

飯田)最近だとソフトバンクグループがアームというイギリスの半導体設計企業を3兆3千億円で買収しましたけど、こういう大きい案件が出てくるというのは、悪いことではない?

高橋)普通なんですよ、世界ではね、いい悪いではなく、企業戦略としてはこういう大きい買収をするというのも、ごく普通のことなんです。日本の目線で見ていると、リスクがあるという言い方になるんです。リスクもあるけどリターンもあるということも考えれば、そこはビジネスですから。

飯田)昨日、ビジネス関連の話が多く出てきていまして、三菱重工がMRJをやっている三菱航空機という会社にさらに出資をするという記事も出ておりました。国産の飛行機を作るというのも、これもまたリスクの大きい事業です。
よく無借金経営を誇るみたいなところが、ここ最近の日本企業にはあるじゃないですか。

無借金経営が良いとは言えない

高橋)無借金経営なんて、要するに、ここまで利益をちゃんとうまく使えてない企業ということも言えます。だからお金を借りて、こういう金利環境ですから将来に向けてやっていくというのは、企業家としては絶対必須の話だと思います。それをここで否定してもしょうがない。民間がリスクを賭けてビジネスを行うところを私は評価したいという立場です。

飯田)そこをね、企業もまるで家計の財布と同じように借金イコール悪だみたいな。

高橋)それはないですよ。企業は借金をして投資するというスタイルですよね。家計は投資をしないから貯蓄主体なんです。それで経済は回っていくんです。全部家計みたいになったら、これは経済の成長というのはないと思います。

飯田)結局資本主義というのは誰かがお金を借りてリスクを背負って、その代わりに大儲けもするみたいな仕組みが必要だということですよね。

高橋)その結果の外国人経営者の招聘ですから、報酬も高いと思いますけど、そういう投資のリスクも含めて日本の企業も考えていかなければならない。

飯田)そう考えると経済には3つの主体があるというじゃないですか、政府と家計と企業。家計がお金を溜め込んで、企業も溜め込んで、ずーっとそういう構図なんですかね。

高橋)ありえないですよ。政府というとどちらに立つかというと、家計ではなく企業ですよね。だから家計は貯蓄して結構。企業と政府はお金を借りて投資をしていく。そうしないとうまく世の中が回っていかなくなります。

飯田)結局、そこの歯車がうまく回らなかったのが、日本のこの20年だったわけですよね。特異な例はドイツですよね、家計も政府も企業もみんな黒字で。

高橋)それは海外があるから、ということなんですけどね。

飯田)結局EUがほかにリスクを押し付けているようなものですか?

高橋)そうです。日本の場合はそういうのがないから、企業と家計でちゃんと分けて、家計は貯蓄してください、企業と政府は投資をするパターンに回らないとダメですね。

飯田)武田薬品工業、この決断は大きいですけど、日本人としてはこれを後押しして期待したいところですよね。

高橋)こういうのがたくさん出てくるといいですよね。そうすると必ず何個かは当たると思いますよ。

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