熊本地震から学ぶ2つの教訓

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4月16日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!⑤

熊本地震から2年~各地で追悼
7:44~ココだけニュース スクープUP!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

公開されている熊本城の復興工事から思うこと

熊本地震発生から、14日で2年を迎えた。2016年4月14日の夜に前震があり、16日未明に本震が起きた。立て続けに震度7の地震が起きた熊本地震は死者267人を出した。

飯田)各地で追悼行事が行われていますが、もう2年経つのですね。

須田)熊本城というのは熊本市中心部にあります。なので、熊本に行くと必ず目に入ってくるのです。あれを見ていると、やはり相当な大地震で、復興に相当な年月がかかるのだなあ、と目の当たりに見えます。

飯田)堅牢と言われていた石垣が崩れてしまっていた。しかし、あれは文化財なので、1個ずつ石を取って、あとでもう1度組み上げなければいけないですね。

須田)しかも、普通なら周りを囲って工事をやりますが、オープンでやっています。なので、「どこまで進んでいるのか?」とか「どんな作業なのか?」が見えるのです。あれも、地震の被害を考える意識を持つという点ではいいことだと思います。

飯田)私も地震から5日後くらいに熊本へ行き取材しましたが、南阿蘇の広大な地滑り現場を取材しました。あそこで自衛隊、消防、警察が一緒になって手で土を掻いていく。途方もない長時間かかる作業をずっとやっていました。

巨大地震は全国どこでも起こり得る

須田)熊本は「大きな地震が起こらない」と言われてきた場所でした。その点で言うと2つポイントがあります。1つ目は、「巨大地震は、日本全国どこでも起き得る」ということ。
2つ目は、「地震予知は、果たして意味があるのか?」ということです。やはりもう1度、これは考え直してみるべきだと思います。

飯田)阪神淡路大震災のときも、「関西は地震が起きない」と言われていたのが、あれだけの大被害。熊本もそうだったわけですからね。

須田)むしろそうした風聞が、地元民にとって「地震が起きない」と、備えに対して甘かった部分もあると思います。

地震予知は意味があるのか?

飯田)これだけ予知できないことが、昔はそれこそメディアで言うのもはばかられたようなところがあったわけですからね。

須田)これをきっかけに、地震に対して議論がオープンにできるようになった。それに対して予算も付いている。我々の血税が使われているわけですから。地震予知の有効性についても、きちんと議論をしていく必要があると思います。
私は結論からハッキリ言うと、地震予知は十二分にはできないと思います。

飯田)大阪が中心で東京のメディアにはあまり出ませんが、東大の地震学者、ロバート・ゲラー先生も「できません」と常に仰っていますからね。専門家のなかでも半信半疑というか、「できない」と断言する人もいるわけですからね。でも、そこの議論がいままでタブーだったのが、そもそもおかしいですよね。

須田)「熊本で地震は起きない」を前提に、他の九州地区で地震が発生したときのバックアップ体制をとったわけですからね。
その意味で言うと、地震対策の点でも、根底から見直していかざるを得ないと思います。

オペレーションの仕組みなど、改善していく点は少なくない

飯田)あとは、地震発生直後に、一気に物資が行きました。あれは、熊本の蒲島知事が、「いちいち需要をチェックする暇がないから、そちらが想定する3倍送ってくれ!」と言って送ってこられたのが、最後に集積所に残ってしまい、各避難所まで回らなかった。この辺が、「各自治体の需要力が問われた」と指摘がありましたね。

須田)オペレーションの仕組み。この辺も見直していかないと。善意で送ったものが利用・活用されないのは悲劇ですからね。

飯田)東日本大震災の時も指摘されていましたが、その辺も「不公平になってはまずい」と、自治体や行政は考えるようですよね。だから、「これだけあるけど、配れない!」となる。その辺、やはり意識の違いでしょうか。

須田)その辺が、横の連絡ができないのだろうな、と。これは縦割りの弊害だと思います。

飯田)いろいろ議論は尽きないし、不思議なことに、都心では大地震がいまのところありません。

須田)でも、南海トラフも含め、確実に起こると言われているわけですから、それに対してどう備えていくのかを、やはり考えていかなければいけないと思います。

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