賠償命令またしても~日本は粛々と裁判の手続きを進める

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月14日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。徴用工問題で新たに下った賠償命令について解説した。

賠償命令またしても~日本は粛々と裁判の手続きを進める

徴用工、韓国から回答なし  記者会見する菅官房長官=10日午前、首相官邸 提供共同通信

 

いわゆる徴用工問題、日立造船にも賠償命令~菅官房長官は文大統領に強い不快感

いわゆる元徴用工の韓国人男性が日立造船を相手取って損害賠償を求めた訴訟で、先週11日ソウル高等裁判所は最高裁判決を踏襲して日立造船におよそ480万円の支払いを命じた。また、この日韓国の文在寅大統領はこの問題に対して日本政府に謙虚な姿勢を求めたことについて、菅官房長官は強い不快感を示している。

飯田)これは最高裁判決が先に下っているので、向こうとしては粛々とこういう形になるということだそうです。

須田)最高裁で確定判決が出ていますから、それを覆すようなものは出すことができませんので、当然予想された結果だと思います。日本側としては国際司法裁判所への提訴へ向けて、着々と手続きを踏んでいる状況にあると予想されます。これは外交上なんらかの解決方法を模索しなければ、司法システムではもう決着がつかないということは明白ですから、韓国政府に対して協議を開きましょうということで、30日以内と期限を区切って要請を行ったと。
これに対して韓国政府としては未だに回答をしていません。日韓請求権協定に基づく協議というのは協定が結ばれてから初めてのものになります。むしろ日本側が期限を区切ったことに対して、加えて協議の期限がそもそも設定されていないわけですから不満を漏らしているのです。これは日本としては別に良いのです。協議を開くこと自体が目的ではなくて、韓国がその協議に応じないという結果を出すことがむしろ日本政府の狙いですから。こちらとしては解決に向けて鋭意努力をしてきたのだけれど、結局それができなかったという手続きを踏んで、国際司法裁判所でしょう。そういった点で言えば、いま日本のやっている手続きは的確だと思います。

飯田)官房長官は不快感を示していますが、基本的には手続きを進めていくということですね。

法や政権よりも強い韓国世論

須田)日本側としては言うべきことを言うということですが、韓国の国内世論を考えると文大統領も譲歩するわけにはいかないという非常に苦しい状況です。いまの韓国は経済的にも厳しい状況に置かれていますし、外交上もいろいろと手を打ちつくした感があります。支持率も低下して厳しい状況のなか、日本側におもねるような受け止められ方をすることはできないということでしょうね。

飯田)日本としては日韓請求権協定のなかで既に終わったと記載されているのに、どうしてこうなるのだろうと……。世論に政権が左右されてしまう体質の弱さがあるわけですね。

須田)今回の判決に関しても、納得するところはあるのですよ。1965年の日韓請求権協定で個人請求権の消滅について、両国政府の合致があったことを探すのは難しいと。日本の最高裁も個人の請求権が無くなったわけじゃありませんよ、というところについては認めているわけですから、同じ土俵に立っているのです。ただ、それは日本政府に求めるのではなくて、韓国の人たちが韓国政府に求めるものです。これについて韓国の裁判所も否定しているわけではないのですよ。もう韓国の国内問題なのです。
日本側の請求権自体が消滅しているわけではないということは最高裁含めて国会の答弁でも認めていますし、だったら韓国政府がちゃんと対応しなさいよ、というのが最終的な結論になっていくと思います。

 

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