海外の人と繋がる「越境3.0」がもたらす可能性
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、株式会社ザ・スリービー代表取締役の石田和靖が出演。日本と世界を繋げることで起こる可能性について語った。
黒木)今週のゲストは株式会社ザ・スリービー代表取締役の石田和靖さんです。
世界の人たちと交流する楽しさは、石田さんにとってどういうところですか?
石田)夢が広がって、やりたいことの選択肢が広がります。「あれもやりたい、これもやりたい。こんなことやあんなことができるな」と視野が広がります。いま高校生の7割が、自分に自信がないとか、やりたいことが見つからないと言っているのです。それはなかなか選択肢がないからだと思います。世界を見渡すと、選択肢がぐっと広がるじゃないですか。海外の新興国に行くと、「日本人にいろいろなことを教わりたい、アイデアを貰いたいのです」という現場に直面します。
黒木)若いときにそういう話を伺っていたら、私も世界を飛び回っていたかもしれません。
石田)日本のパスポートは、世界一です。ビザ無しで入国できる数が世界一多いのですよ。この間シンガポールを抜いて、単独1位になりました。水戸黄門の印籠みたいなパスポートなのですが、日本人は4人に1人しかパスポートを持っていません。
黒木)4人に1人! それも驚きですね。
石田)いまの時代はスマートフォンとSNSが発達して、とても恵まれています。海外に行って誰かと出会ったら、これまでのEメールではなくSNSを使って繋がることができます。アゼルバイジャンではFacebook率が高いのですよ。日本人が歩いていると「Facebookやってますか?」と聞かれて、その場で写真を撮ってアカウント交換したり、中国の内陸に行ったら今度はWeChatというものがあって、それを使って中国政府の偉い人と繋がることもできます。それで何が起きるのかと言うと、政府の人たちからたまに相談事が来るのですよ。それを1つのプロジェクトとして動かして行く。例えばエジプトのカイロ大学というところがあって、カイロと東京は姉妹都市になったのです。カイロ大学の子も日本に興味を持っているから、「何かイベントやろうよ」なんて話が来ます。そういったものを僕は「越境3.0」と言っています。
越境1.0はB to Bでした。ビジネス、企業が海外企業にアプローチをする。2.0は常時接続が一般的になって来て、個人がインターネットでお買い物をしたり動画を見たりできるようになった。そのB to Cが2.0です。
僕らの言う3.0はC to Gです。Citizen to Governmentが海外政府にアプローチできること。そこで相談を受けてプロジェクトを動かしていけるのが「越境3.0」です。いまはそういう時代だから、現実的にできるのですよ。
グローバル化、少子高齢化、AI化は時代の流れで誰も止められません。そうなったときに日本人が何をするかと言うと、もっと海外と繋がって日本人自身が多様性を育んでいかないと、日本はどんどんスルーされてしまいます。
黒木)変わって行かなければ、ということですね。
石田)「越境3.0」で検索してみてください。いろいろな国の大統領との話し合いの様子などが載っているので。
石田和靖(いしだ・かずやす)/ 株式会社ザ・スリービー代表取締役■1971年・東京生まれ。
■会計事務所に10年間勤務。主に法人税業務と財務コンサルティング業務を中心に携わり、中東~東南アジアエリアの外国人経営者の法人を多く担当。
■2003年に「株式会社ザ・スリービー」を設立。年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問。香港・ドバイ・サウジアラビアの証券会社、政府系ファンドなどに太いパイプを持つ。
■海外投資SNS「ワールドインベスターズ」や、動画サイト「ワールドインベスターズTV」などを通じて海外の投資情報を配信。旅行社と共同でビジネス視察旅行を開催するなど多方面で活動。
■2013年には世界に羽ばたく人たちのためのコミュニティ「越境会」を発足。会長に就任し、世界の情報や人脈、機会を共有する会として運営。
■またアゼルバイジャン共和国政府文化観光省顧問に就任。香港政府観光局・香港経済観光大使も務める。
■著書に、『日本人の知らないアゼルバイジャン』『越境せよ!』『オイルマネーの力』『ドバイ株投資完全マニュアル』など海外のビジネスや投資に関する書籍多数。
■世界を駆け巡り、日本人のチャンスを探りながら、現在に至る。
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