ゴーン氏がルノーCEO辞任へ~日産は今後ルノーにどう対抗するのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月23日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。ゴーン被告がルノーの会長兼CEOを辞任することから、今後の日産とルノーの関係について解説した。

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2017年1月、米ラスベガスの家電見本市「CES」で、基調講演する日産自動車のカルロス・ゴーン社長(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

ゴーン被告がルノーCEOを辞任の意向

フランスの新聞レゼコーは、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告がルノーの会長兼CEOを辞任する意向を固めたと報じた。ルノーでは24日に取締役会を開き、後任人事を検討するとしている。

飯田)ルノーのCEOというポジションの意味と言いますか、これが共同の統括会社のトップも兼務するということが書かれているらしいです。

高橋)ルノーの株主はフランス政府ですから、はっきり言って国有企業です。いまフランスのマクロン大統領は経済が大変ですよね。でもルノーは雇用もしているし、ルノーの連結の利益の半分は日産です。日産を配下に置いておけば儲けることができるし、雇用も確保できる。マクロン大統領としては、ここは外しにくいでしょうし、一生懸命やらないといけないところでしょうね。
日本の政府からすると、確かにルノーに1回助けられたけれど利益の半分を持っていかれてしまうし、もうそろそろ子会社でなくてもいいのではないかと思っているでしょう。親子の関係で、子が稼ぐのに取られて行くという気持ちはあると思います。日本政府としても、ルノーの配下に居て、変に中国に技術協力させられるのだったらまずいなと思っているかもしれない。日産の日本人経営陣もそうでしょう。
だからフランス政府とは随分温度差があって、日本政府の方は、マクロンさんが話し合いをしようとしても「日産は子会社でなく民間会社ですから」と言って距離を置いていますよね。これは立ち位置の違いを表していると思います。

飯田)フランスのル・メール経済財政相が世耕さんのところに話し合いをしようと来たけれども、袖にしている。

高橋)それは袖にした方がいいでしょう。話し合ってもロクなことはないですよ。

飯田)アライアンスの維持というところでは、とは言え単体同士にまでしてしまうと、それはそれで世界で競争することは難しくなることもある。

日産はどうルノーに対抗するのか

高橋)日産としては親子ではなくて、違う関係を模索しているのかもしれない。

飯田)そのためには、今度は日産がルノーの株をもっと持たないといけない、いま15%くらいですが。

高橋)対等までいかないにしても、いまの関係を変えるくらいのことは、日産のなかでも思っているのではないですか。だからこそ、ゴーンさんの内偵をずっとしていたのかもしれないしね。

飯田)今後の落ち着き先ですけれども、フランスは資本の論理を使って押して来るのでしょうけれど、日産側にはどういう対抗策があるのですか?

高橋)資本の論理には資本の論理で対抗することと、もう1つ、商売ベースの話としては、日産の販売台数はルノーより遥かに多いから、それを強化して行くのではないでしょうか。そうすると資本とビジネス両方の論理で対抗できるようになるかもしれない。資本の論理に対抗するには、株を買うしかないのですけれどね。一方で、ビジネスで力関係を見せるのもあります。

飯田)結局、こういうときはもう本業と言うか、基本に立ち返るみたいなことになるわけですか?

高橋)力がある方が勝つのですよ。売れていて利益を出している方が勝ちです、ビジネスはそういうものです。

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