猫嫌いなのに猫を保護~気づけば自腹で築地市場の猫のTNR活動をスタート

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【ペットと一緒に vol.129】

猫嫌いなのに猫を保護~気づけば自腹で築地市場の猫のTNR活動をスタート
猫が苦手だった竹内美根子さんは、ある日その後の人生を変える運命の猫に出会いました。地域猫のエサやりや里親探し、ついには築地市場の猫を捕獲して避妊・去勢手術をする活動にいそしみ、2005年に新設された東京都中央区の動物との共生推進員になり……。

今回は、竹内さんの猫ライフの前編を紹介します。


猫好きではないけれど……なぜか

いまから約20年前、東京都中央区に暮らす竹内さんは、運命の三毛猫に出会いました。
「勤め先から自転車で帰宅しているとき、ニャ~ンと言いながら痩せっぽちの三毛ちゃんが寄って来たんです。私はかわいそうだと思うとつい助けたくなる性分なのと、人や生き物にごはんを食べさせるのが大好きなんです。だから、そんなに猫が好きじゃないけど、気づいたら食べ物をあげていました(笑)」。

気になって三毛猫を連れて帰った竹内さんは、さっそく三毛猫の新しい家族を探し始めたのだとか。
「さっそくピザの宅配のお兄さんに相談したら、なんと、飼ってくれることに。ところが同居している父親が猫アレルギーを発症してしまったみたいで……。それでもそのお兄さん、三毛猫ちゃんを家族に迎えてくれる友人を見つけてくれたんですよ」。

猫嫌いなのに猫を保護~気づけば自腹で築地市場の猫のTNR活動をスタート

竹内さんが保護した猫のうちの1匹

初めての保護猫の里親探しがとんとん拍子に進んだからこそ、竹内さんは猫の保護活動の道へ迷いもなく入って行けたのだと考えているそうです。


初めて猫を飼うことに

「私はミネコと言いますが『ネコが名前に入っているから、きっと猫に縁のある人生になるんだよ』と、夫や友人が教えてくれたんです。ほんと、自分では気づいていなかったけど、そうなのかもしれませんね」と、竹内さんは笑います。

それでも三毛猫の里親探しのあと、中央区の晴海にいる地域猫の世話をしていた友人から、旅行中の猫のエサやりを頼まれたときのことは「ちょっとした恐怖体験でした」と、竹内さん。

「エサを持って行ったら、ワラワラワラ~って猫が10匹以上出て来たんです。その頃はまだ猫が好きじゃなかったから、たくさんの猫に囲まれてただただ怖かったですね」とのこと。

猫嫌いなのに猫を保護~気づけば自腹で築地市場の猫のTNR活動をスタート

エサやり場では春になると子猫がたくさん生まれます

晴海のエサやり場である日、竹内さんはふわふわの子猫を見つけたそうです。
「薄汚れていて具合が悪そうだったので、連れ帰ろうと思いました。ハラハラしながらバスタオルをかぶせてみたら、あっさり捕獲できて(笑)。看病をして元気になったところで、トリミングサロンに連れて行きました。迎えに行ったら、まぁびっくり! 白い長毛がゴージャスに輝く、見事な美猫ちゃんだったんですよ」(竹内さん)。

その猫が、竹内さんが初めて飼ったプリンちゃんです。


ウサギと仲良しのプリンちゃん

プリンちゃんを迎えたばかりの竹内家には、当時ジャムちゃんというウサギがいたそうです。
「驚いたことに、プリンはジャムを腕に抱えて寝ていたりもしました。いとおしい存在みたいで、ジャムをペロペロとなめる光景も日常的に見られました」と、竹内さんは振り返ります。

プリンちゃんのことが大好きなジャムちゃんはと言うと、プリンちゃんのあとを追いかけて電話台に飛び乗ったこともあったとか。
「え~っ! ジャム、こんなにハイジャンプができるの? どんだけプリンのことが好きなのよ」と、竹内さんは大声をあげて驚いたと言います。

猫嫌いなのに猫を保護~気づけば自腹で築地市場の猫のTNR活動をスタート

ジャムちゃんの毛づくろいをするプリンちゃん

やがてジャムちゃん以外の晴海にいた猫たちの新しい家族も、竹内さんは探し始めました。
「インターネットがいまのように普及していない時代。ありとあらゆる知り合いに声をかけて、何とか10匹の里親を見つけられました」。

さらに、竹内さんは猫仲間とともに晴海の地域猫を捕獲し、避妊・去勢手術をして地域に返す“TNR活動”も始めたそうです。

「地域猫や野良猫から毎シーズン子猫が生まれると、いつまでたっても地域猫が減ることはありません。子猫の新しい家族を探すのも大変です。これからは多くの猫が、冬はあたたかく夏は涼しく、感染症や交通事故などの危険性がない室内で、過ごせるようになってもらいたいですからね」と、竹内さんは語ります。

猫嫌いなのに猫を保護~気づけば自腹で築地市場の猫のTNR活動をスタート

新しい家族を待つ保護猫の生活

晴海からほど近い築地市場に暮らす猫も、竹内さんは捕獲をしては避妊・去勢手術をするために動物病院へ運びました。
「手術代は、ポケットマネーです。でもそのお金をねん出するために、フリーマーケットに参加していました。中央区内には、各地域に私のように猫のエサやりやTNR活動をしている方が何人もいるんですよ。そうした方たちと次第に知り合いになり、フリマに一緒に参加したり、地域猫についての情報交換を行っていました」。

それがそののち、東京都中央区の動物との共生推進員としての活動につながって行くとは、当時の竹内さんは夢にも思わなかったそうです。
(次回の後編に続く)

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ジャムちゃん亡きあとも近くに

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著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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