米の対日貿易赤字~トランプ大統領の次のターゲットは日本

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(3月8日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。トランプ大統領が対日貿易赤字への不満を漏らしたことの背景について解説した。

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2018年11月29日、20カ国・地域(G20)首脳会合が開かれるブエノスアイレスに向かう前に米ホワイトハウスで記者団に話すトランプ大統領(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

トランプ大統領が対日貿易赤字に不満

アメリカのトランプ大統領は6日、ホワイトハウスで開かれた雇用問題に対する会合で、対日貿易赤字が大き過ぎると不満を漏らし、アメリカ国内の生産を増やすよう対米投資の拡大を要求した。なお2018年の物の対日貿易赤字は1.8%マイナスの676億3,000万ドル、日本円になおしておよそ7兆6,000億円で、国別では中国、メキシコ、ドイツに次ぐ4位となっている。

飯田)これから交渉になるわけですけれども。

宮家)トランプ大統領は劇場型の政治をやっていて、いま中国とガンガンやっている。でもやり過ぎると世界経済が本当におかしくなってしまうから、3月中くらいには手を打って、次に行きます。彼にとって2020年の選挙はもう始まっていますから、当然次の生贄が必要なわけで、それが日本になるのは時間の問題です。中国の対米黒字の一部は、日本の企業のものもあるかもしれないですから。米国はそれも良く分かった上でやっていますから。来るものが来たということですが、受けて立つしかありません。

でも、中国のように安全保障も含めて問題を起こしている国と違って、日本は同盟国ですから。また安倍さんの対トランプ懐柔政策も上手く行っていますし。

それでも不愉快なことはこれから起こると思います。世界中が米国と嫌な思いしているわけで、ヨーロッパなんてトランプさんをぼろくそ言っていますよ。

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トランプ劇場~中国の次のターゲットは日本

飯田)すごいらしいですね。ヨーロッパとの喧嘩の仕方は。

宮家)ドイツが黒字の3位です。メルケルさんとの関係なんてひどいものです。日本は比較的いいポジションにいますが、来るものは来るのだから、受けて立てばいいのですよ。

それよりも、アメリカには中国との問題をきちんとやっていただかないと困ります。あまり度が過ぎると、世界経済にネガティブな影響を及ぼしかねないですから。実際に悪い数字が出て来ているでしょう。中国経済はアメリカとの貿易戦争だけが理由でおかしくなっているわけではありませんが、中国経済の勢いの低下が加速化しかねないので、中国としてもどこかで手を打たなければいけない。だけど完全な合意なんてできるわけがない。であれば、一時的で限定的で、表面的な妥協をどこかでやって、「これで世界経済は何とかなるぞ」というメッセージを発する。トランプさんは国内に対し「中国には言うこと言ったぞ」と言って、トランプ劇場の幕が1つ終わる。中国の幕が終わったら次は何かと言うと、それは日本に来ます。

飯田)大きな貿易の相手国というとメキシコか日本かドイツというかEUとなる。

宮家)だけど日本は中国とは違いますから。中国とは更に次の幕があります。その間のインターミッションみたいな感じでやり過ごせればいちばんいいかなと思います。

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