黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、雑誌『ナショナル ジオグラフィック日本版』編集長の大塚茂夫が出演。『ナショナル ジオグラフィック』が大西洋に沈むタイタニック号を掲載した経緯について語った。
黒木)今週のゲストは、雑誌ナショナル ジオグラフィック編集長・大塚茂夫さんです。
いろいろな写真が残されていますが、空中都市と言われているペルーのマチュピチュの調査。その写真もあるのですね。
大塚)マチュピチュ自体は、1910年にアメリカ人研究者がたどり着いて発見しました。その翌年に『ナショナル ジオグラフィック』がもっと調査をしてくださいと支援して、その研究者が写真をたくさん撮っています。
マチュピチュと言うと、遠くに山があって、手前に石組みの遺跡が広がっているというイメージですが、その頃は、草はぼうぼう、木が生えまくっています。本当に埋もれていたのだそうです。それを調査の人たちが木を切って、1ヵ月以上かけて遺跡を見えるようにしたと聞いています。
黒木)そのときの調査員でしょうか、人物もここに映っています。1912年ですね。
大塚)『ナショナル ジオグラフィック』はマチュピチュのときもそうですが、調査や探検などの支援をします。その成果を、雑誌を通してより多くの人に伝えるということを130年間やっています。
黒木)そういう雑誌なのですね。びっくりするのは、海底のタイタニック号の写真があるのですよね。
大塚)ご存知のようにタイタニック号は、1912年の4月に北大西洋で沈みました。処女航海でイギリスからニューヨークに向かっていた途中なのですけれども、どこに沈んだのかはずっと謎でした。ナショナル ジオグラフィックが支援をするからと、海洋学者にリクエストして調査をしました。そして発見に至り、海底に沈んでいるタイタニック号を雑誌で紹介したのです。とてもセンセーショナルな出来事でした。
黒木)海底に沈むタイタニック号の写真をいま私が見ています。
大塚)発見されたのが1985年ですが、その後も何度か特集を組んでいます。2012年には沈んでから100年ということで、大きく特集を組みました。
黒木)これは水中カメラマンが撮っているのですか?
大塚)そうですね。最初の写真は無人探査機のカメラで撮っています。何年かしてからは、有人の潜水艇で潜って、カメラマンも乗り込んで写真を撮っています。普通では考えられないところに写真家たちは乗り込んで行くのですね。
黒木)北大西洋の深さ4,000mの海底って、潜れるのですか?
大塚)頑張れば潜れるみたいです。
大塚茂夫(おおつか・しげお)/『ナショナル ジオグラフィック日本版』編集長■1969年、静岡県伊東市生まれ。
■筑波大学で文化の多様さと奥深さを学ぶ。
■大学卒業後、NHKで報道番組ディレクター、アリタリア航空で貨物営業を経験。
■2004年から『ナショナル ジオグラフィック日本版』の編集に携わり、2011年1月、編集長に就任。
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