米中閣僚協議開催~一時的な収束はあっても長引く貿易問題

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月25日放送)にジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰が出演。米中閣僚級の貿易協議について解説した。

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米中閣僚級貿易協議を前に撮影に応じるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表(左)、中国の劉鶴副首相(中央)、ムニューシン米財務長官(右)(中国・北京)=2019年2月14日 写真提供:時事通信

米中閣僚協儀、北京に続いて来月ワシントンでも

アメリカのホワイトハウスは米中閣僚級の貿易協議を3月28日木曜、29日金曜に北京で開くのに続いて、4月3日からワシントンでも開催すると発表した。4月下旬に行う首脳会議での最終合意も視野に入れ、2週連続で集中的に議論する予定だ。

飯田)これがアメリカにとっては対中国政策と言うのも、ある意味で内政の従属変数みたいなものだと。中国はこれをどうマネージして行こうとしているのですか?

富坂)アメリカ国内に、いま政治的な中国という問題ではなく、いわゆる中国嫌いがハッキリと形成されていますよね。特にワシントンの上層部で中国に対する警戒が出ている。そうすると1つの合意に至っても、根本的なところは解決に至らない。ベースに中国に対する警戒がずっと残る形になるので、どこに対して自分たちはファイナルアンサーを出して行くのかが非常に難しい。昨年(2018年)の6月に米中貿易の問題は、財務長官のムニューシンさんと1回合意に近いものになったのですけれど、すぐにひっくり返されたわけです。それはアメリカの政治から見ると、対中国問題で中国に1つ屈服させたということは大きな点数になるので、誰か別の人が出て来て自分の政治的なポイントを得ようと、テーマが変わって行く可能性があるのです。

飯田)側近同士のライバル関係のような。

富坂)そういうものがあると思います。トランプ政権内の個人益、政権としての利益、そしてアメリカの国益、いくつもの段階に中国は向き合わなくてはならないので、どれに対してキッチリとしたファイナルアンサーを出すのか、どのタイミングで出すべきかということもあると思います。また、この問題は中途半端にやると認識の違いなどで、約束違反ではないかと後々言われるケースがある。だからそういうところも詰めて行かなくてはいけない。この間、中国は新華社発で作業現場の写真を公開しました。向こうがチャイニーズフードを食べて、こちらがハンバーガー食べるという写真です。そういうことに時間を使ってやっていることは間違いない。経済界は、トランプさんがこの問題で合意に向かうと言うと株価が上がるので、その意味では一旦これを収束させたいと動いていると思います。

飯田)そういう意向もあるけれど、なかなか最終的な決着までは行かないと。

富坂)経済問題はテーマがよく変わって、一度緩むけれどまた別の問題、また緩むけれど別の問題と、転がっている大きな問題があまりにも多すぎますよね。

飯田)では長く続くものだと。

富坂)だと思いますね。

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