“恐竜専門サイエンス・コミュニケーター”という恐竜くんの仕事
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、恐竜専門サイエンス・コミュニケーターの恐竜くんが出演。現在の活動について語った。
黒木)今週のゲストは恐竜専門サイエンス・コミュニケーターの恐竜くんです。
恐竜くんは子供たちのための企画展の監修などもやってらっしゃいますが、いまの子どもたちも恐竜には興味を持っていますか?
恐竜くん)僕がやっているトークショーに来てくれる子たちは、もともと恐竜が好きなので強力です。小学校に行って恐竜の話をすると、男の子も女の子も恐竜好きな子が多くて、性別での差はありませんね。昔より恐竜が好きな子が増えているし、楽しみ方も幅広くなっている印象です。
黒木)最近の子供たちの理科離れについてはどう思いますか?
恐竜くん)僕は生まれた瞬間からアーティストでミュージシャンでダンサーで、サイエンティストだと思っていますが、成長する過程でほとんどの人がそういうことに興味を失って行きます。嫌いになる人も少なからずいる。サイエンスだけに限らず、子供が興味を持って大好きだったはずのものから離れて行ってしまうことは、ある意味大人や社会の責任ではないかと思います。学校でも、スタート地点での理科は“この世界はこんなに素晴らしい場所なのだ”ということを教えてくれるものだと思うのです。そういう気持ちが心のなかに出て来た瞬間が化学の入り口だと思います。何かを教えたり詰め込むよりも、楽しく、素晴らしい世界に連れ出してあげる。本来理科は楽しいものなのです。私たちにいちばん身近な学問のはずです。難しく構えるよりも、“この世界の楽しさをもっと楽しもう”と思ってもらえたらいいなと思います。
黒木)いまはどんな活動をしているのですか?
恐竜くん)恐竜の何でも屋状態です。恐竜展をやるときも内容を考えて、文章を作って、どういうものを展示するか考えて、場合によってはアメリカに行って何を展示するか見つけて来るということもします。それからイラストを描いたり、トークショーをやったり。1人恐竜展みたいなことをしています。何十人かでやることを1人でやっていますね。体験教室も全国各地でやっています。
黒木)体験とは、何を体験するのですか?
恐竜くん)骨を見ながら恐竜の絵を描くことで、動物のつくりを考えながらやる。科学と美術を合わせたようなものをやっています。お父さんやお母さんにも理科や科学は面白いと思えるような、そんなことをやっています。
黒木)学者とか研究者ではなく、恐竜専門サイエンス・コミュニケーターでいらっしゃるのですよね。
恐竜くん)僕自身、恐竜が好きだったおかげで世界中に行けて、素晴らしい人や土地に触れることができました。恐竜が僕の世界を広げてくれる原動力でした。そんな僕にとっての恐竜のようなものを見つけて貰いたいと思います。好きなものを追いかけることによって世界が広がって行く、そういう体験をして欲しいですね。
恐竜くん / 恐竜専門サイエンス・コミュニケーター■1981年・東京都出身。
■6歳の頃に上野の国立科学博物館のエントランスで見た恐竜の骨格に一目ぼれ。恐竜に目覚め、16歳でカナダに単身留学。恐竜の研究が盛んなアルバータ大学で古生物学を中心にサイエンスを学ぶ。
■卒業後も国内外の研究機関や博物館と交流しながら、最新の研究成果を取り入れ、科学教育・普及活動に注力。
■現在は恐竜展の企画監修からトークショーや体験教室の開催、イラスト制作、造形物のデザインや学術アドバイス、執筆、翻訳、メディア出演などで活躍。
■恐竜を通して生き物や自然、科学や環境問題など、世界の様々な物事に目を向けてもらう「きっかけ」をつくることをテーマに活動を続けている。
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