新中国駐日大使〜安定した日中関係のなかでの交代

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月4日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。中国が程永華駐日大使を交代させる判断をした裏にある、安倍総理の外交方針について解説した。

新中国駐日大使〜安定した日中関係のなかでの交代

日中関係安定で交代決断 中国の程永華駐日大使、孔鉉佑外務次官=2019年4月3日 写真提供:共同通信社

中国駐日大使が交代

中国政府は9年間在職した、程永華駐日大使を交代させる方針を日本側に伝えていたことが4月3日に分かった。程大使は来月上旬にも帰国の予定で、後任には孔鉉佑(こうげんゆう)外務次官が起用されることが明らかになっている。

飯田)6月末に大阪で開催されるG20で、習近平主席が来日する前にというのは「おや?」と思いましたが、9年は長いです。

鈴木)長いからということも理由としてあるでしょうが、代えるということはまったく違う意味合いが存在すると思います。
まずうまく行かないから代える。そうではなく、非常にうまく行っているのでタイミングを見て代えるという、この2つ。今回のケースは後者だと思います。
いまのところ日中関係は安定、少し前向きになっている。このタイミング、そして任期が長くなったということでしょう。
安倍さんは「外交の安倍」とも言われています。個人的には全部成功しているとは思いません。でも、対中国外交はしっかりやっていると思います。安倍さんが総理になる前に「保守とは何か」という話をインタビューしました。外交の話になった際、「中国に関しては私は思想家ではない、政治家だ」と言いました。思想家だとイデオロギーが関わって来るけれども、僕は政治家だから、その立場で中国をどう見るかと言うと、中国は経済成長している、G2なんて言われているその一角である。そのなかで、日本は中国とwin-winの形を取るべきだと言ったのです。イデオロギーも含めて言うべきことは言う。だけど一方で対話も続けて行く、win-winの関係、政治家としてそれをやって行きたいと言ったのです。これにはビックリしました。僕はもっと先鋭的に中国を批判すると思っていました。

新中国駐日大使〜安定した日中関係のなかでの交代

日中平和友好条約締結40周年記念レセプションでスピーチする安倍晋三首相(壇上中央)=2018年10月25日、中国・北京 写真提供:時事通信

中国と日本の関係が安定しているなかでの交代

鈴木)その後の第2次安倍政権ができて以来、ずっとそれで通して来ました。安倍さんの応援団で「なぜもっと中国に厳しくやらないのだ?」という人がいても、そこは是々非々で抗議するときには抗議もしたけれども、対話の窓口はずっと開いていた。だからいま中国が寄って来ている、うまく行っているということなのです。対中外交は昨日きょうの話ではなく、かなり長い時間をかけてやって来た成果がいま出ているのです。現在は割と平穏なので、長期に渡った駐日大使の交代ができるということになっているのだと思います。

飯田)ずっと対話のドアはオープンだと言い続けて来たし、それに第1次政権のときから戦略的互恵関係ということはずっと言って来たことですよね。

鈴木)変わっていません。中国だけは変わってないと言うと失礼かもしれないけれど。では対米外交は変わってないのか、ロシアはどうかとか、いろいろ問題はあります。だけど中国に関しては功を奏している気がします。

飯田)次の孔鉉佑さんは北朝鮮問題の特別代表もやっています。

鈴木)この辺はバランスを見て仕掛けて来るかもしれません。

飯田)中国は譲歩を迫るみたいな。

鈴木)でも安倍さんが姿勢を変えなければいいのです。

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