大阪W選挙~大阪維新の会が圧勝したいくつかの理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月8日放送)にジャーナリストの須田慎一郎、またゲストとして辛坊治郎が出演。大阪W選挙で大阪維新の会が勝ったことにより、大阪都構想がどう進むかについて解説した。

大阪W選挙~大阪維新の会が圧勝したいくつかの理由

2019統一地方選 大阪市長に当選が確実になった松井一郎氏(左)と大阪府知事に当選が確実になった吉村洋文氏。笑顔で握手をかわした=2019年4月7日 写真提供:産経新聞社

大阪W選挙~大阪維新の会圧勝で大阪都構想は進むのか

統一地方選挙の前半戦が昨日(4月7日)、最大の焦点だった大阪W選挙で吉村洋文氏(43)が知事に、松井一郎氏(55)が市長に選ばれた。都構想に反対する自民党は知事選に元副知事の小西禎一氏(64)、大阪市長選では前大阪市議の柳本顕氏(45)を自民党と公明党の府本部が推薦。立憲民主、国民民主、共産も共に戦ったが及ばなかった。

飯田)吉村さんは「改革を続けて行けという意思だ。都構想の再挑戦に踏み出していきたい」と。松井さんも「反対の皆さんの意見を聞きながら丁寧に進めていきたい」と都構想実現に意欲を示したのですが、今回のこの結果について、さらに都構想についてキャスターの辛坊治郎さんにもお話を伺いました。

大阪W選挙~大阪維新の会が圧勝したいくつかの理由

【大阪ダブル選 柳本顕氏市長選出馬会見】大阪市長選への出馬を表明し、会見する自民党の柳本顕氏=2019年3月16日午後、大阪市北区 写真提供:産経新聞社

大阪都構想~選挙前に反対だった有権者が軒並み賛成へ

飯田)大阪W選挙ですけれども、事前には結構厳しい選挙になるのではないかと言われていましたが、蓋を開けて見ると維新が府知事選、そして市長選を取った。

辛坊)柳本さんを知らない関東の人たちは、「柳本って誰よ。松井一郎が現職だから、知事から市長に鞍替えしたとはいえ強いだろう。両方圧勝だろう」と言う人が多かったのですが、選挙の序盤で世論調査を見ると柳本さんは相当強かった。私は関西の人間なので、柳本さんの強さが分るのですよ。前回の市長選でも、今度知事に鞍替えして当選した吉村さんと戦った際、41万対59万くらいの差なのですね。18万票の差。だけどあのときは公明が自主投票でした。今回はそこに公明の組織票が乗って、大阪の公明は本気で柳本さんを推していました。そうするとかなりの接戦になって、「下手をすると松井さんが落ちるんじゃないの?」という危機感が維新にはあったのです。選挙が始まる前に大阪市内で「もう1回大阪都構想の住民投票をやりたいですか?」と聞くと、「もういらない」と言う。「もう大阪都構想なんかいらない」という人たちの方が多かったのですよ。もう1回大阪都構想の住民投票なんてやっても通るはずが無いというのが私の正直な感覚だったのですが、選挙期間中の世論調査を見たら、軒並みひっくり返っていて、都構想賛成派が増えている。今回はその流れで最終的にこの結果になったのだろうと思います。
大阪市民はもしかすると、もう1回都構想の住民投票をやったら、賛成で通る可能性が少し出て来た。今回の選挙で私がいちばん驚いたのはそこですね。

飯田)この先都構想について、手続き的には議会を通さなくてはいけないので、その多数派工作は必要なのですが、辛坊さんが指摘されていたのは世論の動きの変化というところもありました。

大阪W選挙~大阪維新の会が圧勝したいくつかの理由

【維新のタウンミーティング】都構想について説明する吉村洋文市長=2018年12月9日午後、大阪市住吉区 写真提供:産経新聞社

都構想を知ってもらうために1,000回以上のタウンミーティングを実施

須田)私は、世論の動きの変化は予想していました。大阪以外の人にはほとんど伝わっていませんが、吉村さんと松井さんがセットで、あるいは単独で、タウンミーティングというものをやっています。

飯田)タウンミーティング?

須田)都構想に関して理解を深めてもらうために、「プラスの効果があるのか、あるいはなぜやらなくてはならないのか」というタウンミーティングをやっていて、合計どのくらいやったのかと言うと、1,000回を超えているのですよ。

飯田)そんなにやっているのですか。足を使って説明して行くという感じですね。

須田)一方的に説明するわけではなくて、「疑問や質問は無いですか、ご理解いただきましたか」と、非常に丁寧なやり取りを住民との間でやり続けて来た。そこから大阪都構想に関する理解が広まって、そういった世論調査の結果が出たのではないかと思います。

大阪W選挙~大阪維新の会が圧勝したいくつかの理由

大阪クロス選 記者会見する松井一郎・大阪府知事(左)と吉村洋文・大阪市長=2019年3月8日 大阪市中央区 写真提供:産経新聞社

若い子育て世代を中心に確実に結果を出してきた維新の会

飯田)かつての維新は、橋下徹さんの個人商店みたいな言われ方をしていましたけれど、そういった地道な努力の積み重ねで、地域政党として根付いたと見ていいのですかね?

須田)そうですね。最初は橋下さん、それから橋下さん松井さん体制、いまの吉村さん松井さん体制と変わって来ましたが、7年4ヵ月続いています。その間、教育無償化や西成区の経済の活性化など、実績をいくつか出して来ました。西成は日雇い労働者の町だったのを、地域開発して行こうとした。底辺からの経済のテコ入れ、それを府民、市民に見えるような形で提示したその結果が、今回の選挙結果に出ているのではないかなと思います。

飯田)昨日、大阪維新の会の選対幹部が会見をしましたが、そのなかで今井大阪維新の会幹事長が、子育て世代がかなり動いたと指摘していました。これは吉村さんの存在で掘り起こした部分があるということです。吉村維新になりつつあるという指摘がありましたが、どうですか?

須田)私もその通りだと思います。昨日、投票所へ行って、個人的に出口調査をやりました。投票に来られた有権者のなかで若い子育て世代のお父さんお母さん、子供を連れて投票所に足を運んでいる人が本当に増えているのですよ。その人たちに話を聞くと、これまで自民党にしても共産党にしても、あまり結果を残してくれなかった。それに対して維新は着実に残していると言っていました。これまで自民党は、年金受給世帯を中心とした中高年層を中心に手厚くやっていましたが、維新はそこに一線を画して、若い世代にアプローチして行きました。その結果が出て来たのだと思います。

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