文化財の防火対策〜ノートルダム大聖堂火災の教訓から学ぶこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月18日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。フランスの世界遺産ノートルダム大聖堂の大規模火災のニュースから、日本にも数多く残されている文化財に対する防災対策について提言した。

文化財の防火対策〜ノートルダム大聖堂火災の教訓から学ぶこと

炎上するパリのノートルダム寺院=2019年4月15日(タス=共同) 写真提供:共同通信社

文化財の防火対策

フランス・パリで発生したノートルダム大聖堂の大火災を受け、菅官房長官は4月17日の会見のなかで、文化庁が国宝文化財と重要文化財の防火対策として緊急点検することを明らかにした。

飯田)確かに木造建築物が多いということで、非常に心配される声もあります。鎌倉市の“さっちゃん”さんから、「私の家は鎌倉なのでフランスの方の気持ちはよく分かります。鶴岡八幡宮や大仏が燃えてしまったらとても悲しい気持ちになります」。いずれも木造建築ですね、大仏は銅ですけれど。他にも「火災の原因はエレベーターの電気回線がショートした可能性があるとか。文化財は日本のものも点検しておいた方がいいのではないでしょうか」といただいています。火災報知器が直前に鳴っていたのに、結局特定できずに火事になったということでした。

鈴木)20分後に見ると煙が上がっていたということです。パリにいる私の仲間からも話を聞きましたが、原因についてはかなり時間がかかるのではないかと言っていました。一部は残ったけれども、建物が崩れているのでなかに入って原因究明することができない。そして工事をやっていた業者は、「自分たちはきちんとやっていた」と主張しています。少し時間がかかるのではないでしょうか。

歴史的な品物が運び出されたのは日頃訓練していたため

鈴木)今回、驚いたのは、あれだけの火災であっても、なかにあった歴史的な品物がきちんと運び出されて無事だったことです。聞いてみると、日頃から訓練していたのだそうです。今回のことで、日本でも防災点検をすぐやろうという姿勢は正しいと思います。
それからノートルダム大聖堂は建造物、文化遺産としてもちろん貴重なのですが、精神的な支柱という意味合いも大きい。最近だとシンボルとしての熊本城、東日本大震災でも文化財ではないけれど、陸前高田の奇跡の一本松の存在もありました。そこに寄せる精神的なものは、とても大きいです。今回大変なことになってしまったけれども、そういう大切なものが非常事態であっても整然と運び出されていた、そこにスポットを当てて、我々はどうするのかということです。

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