欧州議会選挙~EU懐疑派勢力が伸びる当然の理由

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ジャーナリストの有本香がニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月28日放送)に出演。欧州議会選挙について解説した。

オランダ西部カストリクムの駅に設置された投票所で、欧州議会選挙の票を投じる有権者(オランダ・カストリクム)=2019年5月23日 写真提供:時事通信

欧州議会選挙~主流派が過半数を割る

EUヨーロッパ連合の加盟国から議員を選ぶヨーロッパ議会選挙は、5月26日まで4日間にわたって28の加盟国ごとに投票が行われた。

飯田)5年に1度の欧州議会選挙です。今回イギリスもEU離脱をどうするかということはあるのですが、一応投票はして、議員も選出されたということです。結果を見ると、いままでの主流派が過半数を割るのではないかと言われています。

有本)史上初めてですよね。ヨーロッパ全体の大きな揺れ戻しということがあるのではないでしょうか。いままではヨーロッパ全体を大きな共同体として、国境をなくして行くということでした。国境をなくした先にユートピアがある、理想郷があると思って突き進んで来たのだけれど、「そうではない」という軋みや悲鳴のようなものがヨーロッパ各地であがっている。イギリスのブレグジットがその代表的なものだけれど、他の国々でも政治情勢がガラッと変わって来ています。
今回は、これまでEUを支えて来たなかでの中道右派というより、もう少し民族寄り、EUに対して懐疑的な勢力がかなり数を獲るのではないかということです。

飯田)EU懐疑派と呼ばれる人たちが3割位は獲った。さらに伸びそうだという話が出て来ています。

EU特別首脳会議後に記者会見するトゥスクEU大統領=2019年4月11日、ブリュッセル(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

EU本部で決めた方針への反発~揺れ戻しが出て来たヨーロッパ

有本)ヨーロッパのEUの議会があり、EU本部があります。ここはものすごく巨大な官僚機構です。この官僚機構が、頭で考えた典型的な設計主義なのです。「これが理想である」という方針を決めて、これを各国に押し付けて来るのです。
ヨーロッパのなかでイギリスとドイツは経済的にも、政治的な意味でも力のある国だとよく言われるのですが、イギリスでもドイツでも、EU本部で決められた方針に対しての反発はすごく大きい。その代表的な例が、クオータ制というものです。イギリスでもドイツでもクオータ制というものはとっていません。

飯田)割り当て制などと言われ、一定数の女性を入れるとか。

有本)特に男女比に関してですが、もちろん女性を積極的に活用するということはあったとしても、「これだけ割り当てで入れなさい」ということに関して非常に反発が強い。でもEUの理想としては、「それがあるべき姿です」となる。
例えばイギリスの人たちが、遠くブリュッセルでそのことを決められて押し付けられることなど、普通に考えて我慢するわけがないですよ。

飯田)我々の代表を送り込んで決められたものでもないと。

有本)そういうことになりますよね。

飯田)「民主主義ではないじゃないか」と言われると、どう説明するのだろうという話ですよね。

有本)そういうことです。それが正しいのかどうかは様々な見方があるけれども、「人類の理想としてこれが正しいのだ」と仮に言われても、「そうではない」という人間社会や文化もあるわけです。よく日本でも、東アジア共同体ということを一時期言っていた人がいました。いまも言っている元総理もいますけれど、その本部が日本から何千キロ離れたどこかの東アジアの都市に置かれたとしましょう。そこで、そこにいる限られた人たちが「次は日本もこういうところを割り当て制にしてください」と言われたら、どうですか。

飯田)うちの文化と合わないよと考えても。

有本)そういうところもあるわけではないですか。我々外部の者が見たって、ヨーロッパも北と南では相当文化が違うことがあるのですから、揺れ戻しは当然出て来る話だと思います。

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