ハンセン病補償法改正~差別を受け続けた患者と家族の実態
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月11日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。ハンセン病補償法改正の重要性について解説した。
政府がハンセン病補償法の改正を検討
ハンセン病患者家族への賠償を国に命じた熊本地裁の判決が控訴見送りとなったことを受けて政府が10日、元患者家族への救済に向けハンセン病補償法の改正を検討していることが分かった。
新行)鈴木さんは以前、ハンセン病をテーマとしたドキュメンタリーを制作されたこともあるということですが。
WTOが否定するハンセン病患者を隔離してきた日本政府
鈴木)僕はTOKYO MXテレビで編集長を務めていたのですが、東京でも東村山に「全生園」と言うハンセン病の施設があります。ハンセン病の施設というよりは、はっきり言いますがハンセン病患者を隔離する施設です。結局、ハンセン病は感染する病気だと言われていたのです。とっくに薬はできていて治る病気だと、随分と昔になっているのですが。
新行)1960年にWTOが、隔離を否定する見解というものを出した。
鈴木)1960年ですよ。いまから60年くらい前です。ところが日本政府はこのハンセン病患者を、施設を作ってそこに閉じ込めて隔離したのです。これは大変な病気だという印象を作ってしまった。おっしゃるように1960年にWTOは否定したのだけれども、日本で「らい予防法」というものがあって、これが廃止されたのは1996年ですよ。何をして来たのか。
家族も苦しい思いをして来た
鈴木)患者はもちろん苦しい思いをしたのですが、家族もそれ以上に苦しい思いをして来たわけです。例えば、息子たちの長男がハンセン病の患者になると、「あの家でハンセン病患者が出た」と隣近所から白い目で見られる。患者を隔離施設に入れて縁まで切らなければいけない。とにかく隠し続けて家族も差別を受けて、大変な思いをして来たのです。全生園でハンセン病患者の差別を語って来られた平沢さんという患者の方に聞いたのですが、全生園にいる患者のお母さんがふるさとで亡くなったそうです。お母さんが亡くなったら帰りたいではないですか。ですが帰ると「あそこの家族にハンセン病患者がいたのだ」とわかってしまうので、ふるさとの駅のホームから遠く見えるお墓を見て、黙って帰って来たということです。家族もつらいけれども縁を切る。そして患者はもちろん苦しむ。こんなことがずっと続いていたのです。
熊本地裁の判決は当たり前のこと
鈴木)熊本地裁の判決が「画期的」と報じられていますが、画期的ではないのです。遅すぎるくらい。今回、安倍さんが決断したことは悪いことではありません。ですがこれは異例でも何でもなくて、当たり前のことです。これから法改正をして家族の救済をするとしても、たくさんいるのでどこまで入れるのか。難しいけれどやらなければいけません。なぜなら国が隔離政策をして、差別を作り出したのだから。
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