広島原爆の日~核保有国に囲まれる現実をどう考えるか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月6日放送)にジャーナリストの有本香が出演。広島原爆の日を迎え、世界を取り巻く核問題について言及した。
広島原爆の日~平和記念公園で平和記念式典
広島はきょう8月6日、74回目の「原爆の日」を迎え、広島市中区の平和記念公園では、午前8時から原爆死没者慰霊式・平和祈念式が営まれ、被爆者や遺族、安倍総理らと各国代表が参列した。
飯田)広島市の松井市長は令和初の平和宣言で、国際的な緊張が高まり、核兵器廃絶への動きが停滞している世界情勢に懸念を表明したということです。
有本)広島に関しては、式典そのものにも各国の大使が、いまは100ヵ国近く参列しています。アメリカの前オバマ大統領が広島を訪れてから、広島でのことというものを世界の人が共有して、2度と同じ過ちのないようにという理念はあるわけです。ただ、一方ではなかなかそういう方向に向かって行かないという現実論も、私たちは理解できるというところではあります。
核廃絶がむしろ逆行する方向にあるのは、核拡散防止条約(NPT)体制というものがあります。要するに、決まった国のみが核を持てるという形で来たものが、実際には事実上崩壊していますよね。
飯田)北朝鮮の例を見るまでもなく。
日本は自分たちを守るためにどうすればいいのか
有本)90年代の終わりにインドとパキスタンが核を持って、そのときにも緊張が走りました。それもそのままになっているし、イスラエルも核を持っているでしょう。イランはどうなのか、北朝鮮はおそらく核を持つのに近い状態にあるでしょう。もちろん、広島で起きたことを私たちは日本人として忘れてはならないのだけれど、アメリカの核の傘の下に居続けた日本が、周りを核保有国に取り囲まれているわけですね。朝鮮半島にも核があることがだいたい現実だと考えると、日本は自分たちを守って行くためにどうすればいいのか、ということです。
飯田)折しも今朝、北朝鮮が短距離ミサイルを発射しました。一応は飛翔体となっていますが、先ほど日本政府はこの飛翔体発射について、日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されていないと明らかにしたということです。かなり短距離のもの、あるいは中距離のものでも日本は射程に入っています。
有本)そこに核弾頭を積める、小型化する技術もあると言われて、けっこう経ちますよね。もちろん「原爆の日」を忘れてはいけない一方で、例えば日本がもう1回核攻撃を受けて、私たちのいろいろなものを失うような事態も避けなければいけないという現実論があります。
飯田)そこも繰り返してはいけないと。
有本)深刻に、現実的に考えたいところです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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