『アイスノン』誕生のきっかけは“くず湯”?
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1960年代になると、冷蔵庫が日本の一般家庭にも普及して行きました。この頃、冷蔵庫を利用した『氷枕』の開発を思いついた方がいます。総合日用品メーカー『白元(はくげん)』、現在の『白元アース』の創業者、鎌田泉さんです。
それまでの氷枕は、袋のなかに氷を入れたものだったので、ゴツゴツして寝心地が悪く、よく水漏れしていたそうです。
当時、アメリカでは魚を運ぶのに保冷パックを使っていました。それを知った鎌田さんは、「『保冷パック型の氷枕』なら、冷蔵庫の冷凍室で冷やせるのでとても便利なのでは…?」と考えました。ところが、水を入れたパックをそのまま凍らせても固いので、“適度な柔らかさ”と“冷たさが長時間続く”という2つのポイントが必要でした。
ある日、鎌田さんは風邪をひいて寝込んでしまいました。目が覚めると、枕元には何時間も前に置かれた『くず湯』があって、飲んでみたところ、時間が経っているのに温かかったそうです。
くず湯はジェル状ですが、それによって温度が保たれていることを知った鎌田さんは、合成樹脂で凍らせた水をジェル状にすることを考えました。その結果、1965年(昭和40年)に誕生したのが“氷の要らない氷枕”『アイスノン』です。
この『アイスノン』の誕生をキッカケに、1980年代になると様々なタイプのジェル状の保冷剤が登場します。ジェル状の保冷剤は手軽で、持ち歩きにも便利でさわり心地も優しいため、1990年代以降、急速に普及しました。
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