ゾンビになって、アンチエイジングしませんか?!
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第673回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、8月16日公開の『感染家族』を掘り起こします。
またまた奇想天外な韓国ゾンビ映画が誕生した!
世界中を熱狂させた『新感染 ファイナル・エクスプレス』や、Netflixオリジナルドラマ『キングダム』など、世は空前のKゾンビブーム。そんななか、これまた新感覚な感染サバイバル・ムービーが日本に上陸しました。
笑いあり、アクションあり、そしてロマンスあり! キャストも「他のゾンビ映画とは違う」と太鼓判を押すパニック・エンタテインメントです。
寂れた田舎町のガソリンスタンドで暮らすパク一家は、長男ジュンゴル、次男ミンゴル、長男の嫁ナムジュ、末娘ヘゴル、3兄妹の父マンドクの5人家族。定職もなく、その日暮らしの生活を送っていた。
ある日、彼らの前に突如ゾンビが出現し、父マンドクが噛まれてしまう。それをきっかけに父が若々しく変貌した姿を見て、一家はゾンビビジネスで金儲けすることに。若返りを求める老人たちは日に日に増え、稼いだお金でガソリンスタンドを再建した一家。
ところがゾンビに噛まれた人々に思わぬ副作用が表れ、道行く人々に襲いかかる…。
この世の中に、ゾンビよりも怖い人間がいたら…? そしてそのゾンビが、のどかな田舎に現れたなら…という発想から生まれた本作。
そのゾンビ像は、実にユニーク。フラフラと道を歩いていると、地元のおばさんに酔っ払いと間違えられる。犬に吠えられて、追いかけられる。何故か人間の言葉が理解できる。大好物はキャベツで、しかもイケメン! 恐怖を煽られるどころかキュートな雰囲気さえ漂い、ホラー映画やパニックムービーが苦手という人も思わず魅了されてしまうほど。
そしてゾンビを怖れるどころか、飼い慣らして一攫千金を狙うパク一家も、負けず劣らずの曲者ぞろい。個性的すぎるキャラクターたちが織りなす展開に、驚愕の連続となることでしょう。
古今東西のゾンビ映画への愛とオマージュをほとばしらせた入魂の1作。エンディングは爆笑必至。脚本の巧さに唸らされるばかりです。ゆる~くリラックスして、<新感覚>な笑いとスリルを存分にお楽しみあれ。
『感染家族』
監督・脚本:イ・ミンジェ
撮影:チョ・ヒョンレ
美術:ホン・ジュヒ
出演:キム・ナムギル、チョン・ジェヨン、オム・ジウォン、イ・スギョン、チョン・ガラム、パク・イナン
(C)2019 Megabox JoongAng Plus M & Cinezoo, Oscar 10studio, all right reserved.
公式サイト http://www.finefilms.co.jp/theoddfamily/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/