ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月16日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。15日に行われた全国戦没者追悼式のニュースについて解説した。
全国戦没者追悼式が日本武道館で開催
終戦から74年となった15日、全国戦没者追悼式が東京の日本武道館で行われ、即位後初めての参列となった天皇陛下がお言葉を述べられた。
天皇陛下)本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」にあたり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。終戦以来74年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。戦後の長きにわたる平和な歳月に思いをいたしつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民とともに、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
飯田)15日の全国戦没者追悼式での天皇陛下のお言葉を、ノーカットでお聞きいただきました。16日の新聞各紙、朝刊一面はこの陛下のお言葉も含めて、戦没者追悼式のことがトップに来ています。深い反省との表現を、上皇陛下が使ったものを踏襲して、というところを強調している新聞も多いですね。
74年経ち、反省を繰り返し述べる日本の真摯さ
宮家)今回の陛下のお言葉は即位後初めてということで従来以上に注目されました。私ももう1回読み直してみましたが、日本は何と素晴らしい国ではないかと率直に思いましたね。確かにこのお言葉は、国事行為かどうかは別として、象徴としてのお言葉なのですけれども、いずれにせよ、74年も経っても「深い反省」を事実上の国家元首がこういう形で公式に述べる、そんな国は見たことがないですよ。植民地主義と言うのだったら、ヨーロッパ列強もみんなやっていたわけですよね。でも、ヨーロッパの国々が74年も経って、毎年「深い反省に立って」、などと言うわけがないです。それをずっと言って来た日本という国は、とても真摯な国だと思います。歴史にきちんと向き合っているのです。韓国の人たちもその点はよく理解してほしい、これは陛下の公式の言葉ですからね。もう1度聞き直して、読み直してみてほしい、よく練られた文章です。継続性というものは極めて大事ですから、その意味でもやはり「いいな」、と思った、これが私の正直な気持ちです。
飯田)陛下のお言葉もありましたが、三権の長からの言葉もありました。安倍総理も開式の辞ということで、短いスピーチがあったのですけれども、批判する向きはそこに関して反省などの文言が盛り込まれていなかったではないか、というものもあります。
宮家)先ほど申し上げた通り、これは日本は毎年何らかの形で言ってきているのですよ。しかも普通の国は、例えばヨーロッパなどで、その種のことについて謝罪、反省し続けるという話は聞いたことがない。例えばアルジェリアだって、今もフランスに対して怒っているのですよ。でもフランスは絶対に謝りませんし、イギリスもそんなことはしません。これに対し、日本は公式に1995年の総理談話が出ているのですから、本来はそれ1回でいいのですよ。それを敢えて繰り返すことに日本の真摯さがある、いい意味で生真面目さがあると思います。ですから、私はそのような批判はまったく当たらないと思いますね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。