終戦の日に考える「戦争をしなくなる5つの要素」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月15日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。73回目の終戦の日に「戦争をしなくなる5つの要素」を解説した。
今日、73回目の終戦の日 平成最後の全国戦没者追悼式
73回目の終戦の日となる今日8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館で開かれる。式典には天皇皇后両陛下ご臨席のもと、安倍総理大臣や全国各地のご遺族およそ7千人が参列。平成の時代では最後の式典となる。
飯田)平成最後ということが今朝の朝刊各紙でも報じられておりますが、正午に参列者全員で黙祷、政府はこの時間に全国で黙祷し、亡くなった方に思いをはせ、平和への祈りを新たにするよう呼び掛けています。今上陛下は平和への祈りを非常に大切になさってこられました。
高橋)そうですね。終戦の日、8月15日が来ると、私も色々なところで平和の為に何ができるかということを書いてくれと言われます。私は数量政策学者なので、平和のために何をしたら一番その確率が高まるかを、研究してきた訳なんです。
国際関係論で言うとですね、けっこう簡単な研究なんですよ。ただ平和を高めるというのは、憲法9条があるという言い方をするのですが、不戦条約の延長みたいになっています。憲法9条みたいな規定っていろんな国にありますが、戦争をさせないためには、相手国との関係っていうのが一番大切なんですよね。だから両方の関係がどうなっているかというのを研究するんでけど、その研究によると、実は5つの要素で戦争をしなくなる、平和になるというのが数量的に分かっています。
1つは、これを言うと嫌に思う人もいるんだけど、同盟、はっきり言うと集団的自衛権です。集団的自衛権を持つ方が実は戦争をしなくなるんですよ。それは明らかに数字が出ているんですね。
2番目は、これも嫌だと思う人がいるんだけど、軍事費です。軍事費が大きくなると、要するに戦争を仕掛けてくるという気持ちが無くなるという意味で、それも減るんですね。
あとは3番目、ここからは一般の方も喜ぶんだけど、一つはお互いの国を民主化するということ。私がプリンストンに行ったときの先生は、「お互いに民主化した国は殆ど戦争しない」という理論の有名な人なんですよ。デモクラティック・ピースセオリーと言うんですけど、おそらく国際関係論の中で一番まっとうな理論です。お互い民主化すると殆ど戦争しない、片方が民主化していて片方がしていないと少し戦争する、お互いに民主国ではないと物凄く戦争をするんですね。これはもう歴史のデータから言えるんですよ。
それで次は、お互いに国際関係を重視して、国際機関に加入させる。これも戦争を凄く減らすんです。
最後は、貿易を沢山する。
こういうのを組み合わせるんですね。日本の周りで考えると、中国と北朝鮮は民主国じゃないので、その周りの国というのはけっこう危ないんです。だから、どちらかというと中国と北朝鮮を民主化するとかね、貿易をしながら。貿易だけの話は皆言うんだけど、民主国を相手にさせるというのはやったことがないんですよ。恐らく確実に戦争の確率が減るんですね。それと共に、日本の場合は同盟をきちんとするというところ、貿易をきちんとするという答えになるんです。多面的ですけど、全部数量的にこういう風にしたら何割くらい戦争が減るというのが分かっているんです。
祈りをするのもいいんですけれど、その背景として、国としては、今の5つの政策をきちんとやる。そうすると、戦争の確率は凄く減るんです。具体的にやらなければ駄目なんですね。
飯田)確かに貿易の話を、経済的につなげればと言うけれど。
高橋)そうじゃない。一つのファクターに過ぎないので、それだけでは駄目だから、要するに軍事費の話も防衛の話もやるし、相手に国際機関に加入しようとか、そういうことも言うんです。北朝鮮などを国際社会に引き出すことが、日本の安全保障になるんです。
飯田)70年余りにわたるこの平和、交戦状態になかったということはそのファクターがあったからですが、ある意味崩れればガタガタといく可能性だってある。維持しなきゃならないということですよね。
高橋)そうですね。東アジアの方は非民主国が多いのでね、けっこう危ない地域です。ですから、なるべく北朝鮮を国際社会に引き出して民主化する、一方で同盟関係と軍事防衛費はきちんとやる、そういうことだと思いますよ。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
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