香港で中高生が授業ボイコット~国際社会と連携していかに活動を続けて行くか

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(9月3日放送)にジャーナリストの有本香が出演。逃亡犯条例の改正案を巡り、学生を中心とした反政府抗議活動が続く香港の情勢について解説した。

香港で中高生が授業ボイコット~国際社会と連携していかに活動を続けて行くか

集会に参加し、音楽に合わせてスマートフォンを揺らす生徒ら=2019年9月2日、香港(共同) 写真提供:共同通信社

抗議活動続く香港で学生が授業をボイコット

逃亡犯条例の改正案を巡る反政府抗議活動が続く香港で2日、新学期初日の中学生・高校生、大学生が授業をボイコットした。香港メディアによると、政府トップの林鄭月娥行政長官の母校の中高生もヘルメットとガスマスクを着けて抗議の座り込みを行った。

飯田)学生や集会参加者は、香港政府に対して5大要求に応えるようにと。改正案の撤回、警察の責任追及、普通選挙の実施、それから暴動の認定を撤回せよなど、5つの要求を行っていて、それに応えろということを訴えています。

基本的には応援する香港市民~一方では香港経済が縮小

有本)6月以降、逮捕者が1000人くらいになっています。このところ日本のニュースでも随分取り上げられていますが、アグネス・チョウ(周庭)さんと言う若い女性のリーダーがいます。日本語がお上手で、日本にもいらっしゃって記者会見をされていました。こういう若い象徴的な人を逮捕したり、ジョシュア・ウォン(黄之鋒)さんも若いリーダーですけれども、彼は何度か拘束されています。当局側も、そちらが本気だったらこちらもやるぞという感じを見せています。ただ一方で、雨傘革命のときになぜ頓挫してしまったかと言えば、香港経済への影響が大きいと市民から受け止められてしまったということがあります。ああいう状況を受けて今回になっている。その間に香港の状況は悪くなって来ているわけではないですか。書店の店主が中国に引っ張って行かれたり、いろいろありました。ですから香港市民も基本的には応援しているのですが、とはいえ、1ヵ月くらいで10%以上経済が縮小してしまっている。それから空港機能が麻痺したり、いろいろなことがありました。

天安門事件のような事態を起こさずに国際社会が中国に制裁する状況をいかに作り出すか

有本)ですから今後、私があえて申し上げたいのは、学生側に引けと言うわけではないのですけれども、この活動を国際社会にアピールしつつ、継続することが大事だということです。香港当局とは言え、実際は中国当局ですけれども、諦めませんからね。どんな手を使っても、どんなに時間がかかっても、これをやめさせようと動いて来るわけです。国際社会も香港市民も1つになって、中国がこれ以上香港の自由を侵すことは許されないのだという状況を作らなければならない。いちばん中国に対して効果的なのは、天安門事件のような事態を起こさずに、天安門事件後の国際社会が一致して中国に制裁するという状況を、いかに作り出すかということです。そのためにはある程度冷静に、そして戦略的に国際社会と連携しながら、どうやってこの活動を続けて行くかということです。それを考えて欲しいと思います。

飯田)息を長く続けて行くという形で対峙するしかない。

有本)そう思いますね。体制と戦っているわけですから、日本で起きているデモとは質が違います。

飯田)世界中のメディアが継続的に見続けるということが、1つの抑止になりますね。

有本)それも必要です。雨傘革命から5年経っています。あの当時ジョシュア・ウォンさんは高校生でしたが、もう5年もやっているのですよ。ここに来て、中高生などの新たな世代が参加しています。新しい世代が出て来て世代交代もして行くなかで、どうしても若い人たちは結果をすぐ求めたいという気持ちになるのですが、そんなに生易しいことではないということを、是非心にとめて頑張っていただきたいと個人的には思います。私たちも簡単に「頑張れ頑張れ」なんてことは言えないですよね。

飯田)それだけ厳しい戦いが、この先も続いて行く。

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