ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。英・最高裁がジョンソン首相の議会閉鎖に違法判決を下したニュースについて解説した。
長期間のイギリス議会の閉会、最高裁判所が違法と判断
イギリスの最高裁判所は24日、ジョンソン首相の意向で議会が長期間閉会されていることについて、違法とする判決を言い渡した。ジョンソン首相はこの判断に従う考えで、イギリス議会は25日から再開される見通しである。
飯田)10月31日にEUからの離脱期限を迎えるイギリス。ジョンソン首相の意向で10月半ばまで閉会中ということでしたが、これを違法と判断した。ツイッターで“勇者さとる”さんから、「違法と言われてもね。一体、何回離脱を延期するつもりなのだろうか」といただきました。そういう流れになるのでしょうか?
議会を開いてもEUと交渉できるのはジョンソン首相、行政府だけ
高橋)どういう人が何を言っているかを整理しなければなりません。今度の最高裁判所は、議会を開けと政府に言いました。でも「議会を開いた後はどうするか」という話です。EUと交渉できるのはボリス・ジョンソンさんと、行政府だけです。議会の方はジョンソン首相の好きにさせたくないということです。
飯田)しばりをかける?
高橋)しばりをかけるだけです。でも、相手にEUがいるでしょう。議会が足を引っ張れば引っ張るほど、合意なき離脱の方に行くだけなのです。EUの方からしてみればどうしようもないし、期限は以前も延長したので、しにくいと思われます。そうすると、議会が合意なき離脱をするなとジョンソン首相に言えば、合意なき離脱の方向に進みます。
飯田)議会からすると、逆の方向に行ってしまう。
高橋)はっきり言って議会は関係ないから、寝ていた方がいいというのが正しいです。
飯田)寝ていた方がいい?
高橋)イギリス議会の人と、EUの行政府が交渉するわけではないからです。交渉するのはジョンソン首相しかいません。だからジョンソン首相に自由にやらせて、イギリスに「最善を尽くせ」と言うのがいいのですよ。
飯田)結果で責任を取ると?
高橋)そうです。議会の人は当事者ではないので、ジョンソン首相にいくら言っても意味がありません。だからジョンソン首相は「寝ていてくれ」と言ったのです。寝ていればよかったという話です。
飯田)ジョンソン首相としてはEUと10月31日の期限を切っていて、これで離脱するのだと。そこに向けて、いい条件を取ろうとしているのですか? 交渉をまったくしないで、クラッシュさせるつもりではない。
ギリギリのところで何かを引き出そうとしているジョンソン首相
高橋)交渉すると言っています。ギリギリのところで何かを引き出そうとするのがボリス・ジョンソン首相です。
飯田)チキンゲームをやって、相手が折れるまで突っ走ろうとしているということですか?
高橋)「そんなチキンゲームをするな」と言って、交渉させないのがイギリス議会になっています。イギリス議会の人は言わざるを得ないからやっているのでしょうが、結果的にはジョンソン首相の交渉力を弱めているだけです。議会が寝るのが正しくて、最高裁判所の方も開けと言うけれど、開いて寝るのがいいのです。
議会は黙っているのがいちばんいい
飯田)この後はどうなるかですが、かと言って解散はこの間できませんでした。
高橋)解散したら、ただ単に合意なき離脱です。10月31日に自動的に、成果もなくただ離脱するだけになります。議会は何もできなくて、言わざるを得なくなっていますが、黙っているのがいちばんいいです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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