【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東京・池袋からの直通列車も多く走る西武秩父線。
昭和44(1969)年の開通から、きょう10月14日で「50周年」の節目を迎えました。
特急「ちちぶ」号には、今年(2019年)3月、新型の西武001系電車「ラビュー」がデビュー。
秩父の自然がいっぱい広がる大きな窓に、黄色いシートが並んだ快適な車内。
普段は通勤・通学利用の皆さんからも、大きな注目を集めているようです。
秩父への観光ルートを切り拓いた列車といえば、何といっても特急レッドアロー。
池袋、所沢、入間市、飯能、横瀬の順に停車、西武秩父までは最速78分で結んでいます。
平成7(1995)年に登場した西武10000系電車の1編成は、平成23(2011)年から、秩父線開業時に登場した西武5000系電車のカラーリングを復刻した「レッドアロー・クラシック」となっていて、往年の雰囲気をいまに伝えています。
秩父のご当地名物と言えば、小鹿野(おがの)発祥とされる「わらじかつ」。
帰りの特急列車に買って乗り込むなら、西武秩父駅の「わらじかつ弁当」(970円)です。
平成29(2017)年のオープン以来、大人気の「西武秩父駅前温泉 祭の湯」内にある「秩父わらじかつ亭」で製造・販売されており、店舗脇の自動券売機でチケットを購入します。
およそ10分で作りたてが登場、空いている時間なら作り置きをお願いすることもできます。
(注)週末・連休などの混雑時は、作り置きをお受けできないそうですので、ご注意下さい。
【おしながき】
・白飯
・わらじかつ
・こんにゃく煮
・しゃくし菜
・紅しょうが
「わらじかつ弁当」は、前身の「西武秩父仲見世通り」時代から作られている伝統の味。
掛け紙を外して、ふたを開ければ、ホカホカの白いご飯の上に、揚げたての香ばしい「わらじかつ」が2枚載り、甘辛に煮つけられたこんにゃくと、伝統的な漬物・しゃくし菜も入って、秩父エリアのご当地感たっぷりな弁当です。
秩父エリアを1日歩いて、ひとっ風呂浴びた後、心地よく列車のお供になってくれそうです。
コスモスの花咲く谷間を、橋梁で貫いて行くのは、白いボディにライオンズカラーをまとった飯能~西武秩父間の各駅停車を中心に活躍する西武4000系電車です。
50年前の開業時は、武甲山の石灰石輸送も大きな役割だった西武秩父線。
いまでは観光と同時に、秩父地方の生活路線としての役割も担います。
50周年のいま、思い思いの列車で、埼玉・秩父へのんびりと出かけてみませんか?
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/