新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

E2系新幹線電車「とき」、上越新幹線・長岡~浦佐間

10月から始まった「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン」。
“日本海美食旅”をキャッチフレーズに、新潟・庄内の「食」をメインテーマに据えた、味覚の秋、収穫の秋にふさわしい観光キャンペーンです。
東京から新潟までは、上越新幹線「とき」で、最速1時間37分。
シートに腰かけてウトウトしたら、目の前にはもう、新潟の美味しい食べ物が待っています。

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

神尾弁当部・神尾雅人社長

全国の駅弁屋さんに伺って、駅弁作りの様子を見せていただきながら、駅弁への思いをトップの方に語っていただいている特集企画「駅弁屋さんの厨房ですよ!」。
この企画、各社長さんの“お友達”を紹介していただいて訪問する“テレフォンショッキング”方式で、回を重ねること、第18弾までたどり着きました。
今回は、新津駅弁「神尾弁当部」の神尾雅人社長にお話を伺っています。

 

●新潟でその年にイチバン美味しいお米を駅弁に使う!

―現在開催中のデスティネーションキャンペーンは、新潟の「食」がテーマですが、やっぱり、駅弁の「お米」にはこだわっていらっしゃいますよね?

ごはんは全商品、新潟県産のコシヒカリを使用しています。
先代からずっと取引をしている米問屋さんに、広い新潟県のなかで、その年の特に美味しい、“間違いのない”お米をいくつかピックアップして持って来ていただいています。
そのお米を食べ比べながら、使用するコシヒカリを決めています。
岩船産のコシヒカリになるときもあれば、上越産、長岡産、魚沼産になるときもあります。

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

E129系電車・普通列車、信越本線・さつき野~荻川間

―では、お米の特性も毎年変わるんですか?

当然、その年のお米によって、炊き方は変わりますし、水加減も変わります。
神尾弁当部ではしばらく浸水させてからご飯を炊いていますが、そのほうが、炊きあがりにミスが少なくなるメリットがあります。
神尾の駅弁には、その年で最高の「新潟県産コシヒカリ」を使用している自負があります。
やっぱり、駅弁はお米が美味しくないとダメなんです。

 

●できるだけ「地元産」にこだわりたい!

―おかずにもこだわりがありますか?

できるだけ、地元の食材を使うことを最優先しています。
ただ、駅弁屋である以上、食材を安定して一定量を確保することも大事ですので、海外からの輸入に頼っている食材もあります。
最近では、「あがの姫牛」という阿賀野市のご当地ブランドを使った「駅弁」も開発しました。
まだ、大都市における「あがの姫牛」の認知度が低いところが課題です。

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

もち豚まいたけ弁当

―最近、「神尾弁当部」さんでは、肉駅弁を積極的に出されていますよね?

中国をはじめとした東アジアの国々で需要が増えたり、一部の国による魚の乱獲によって、魚介類の高騰が著しいため、肉駅弁の開発が急務となっていました。
なかでも、「もち豚まいたけ弁当」(1080円)は、「越後もちぶた」と「雪国まいたけ」という、地元の食材にこだわった駅弁です。
「できるだけ地元のものを使う」という基本的な考え方は、これからも続けていきます。

(神尾弁当部・神尾雅人社長インタビュー、つづく)

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

もち豚まいたけ弁当

【おしながき】
・白飯(新潟県産コシヒカリ)
・越後もちぶたの角煮
・越後もちぶたのそぼろ煮
・越後もち豚の肉団子 黒酢あんかけ
・雪国まいたけ煮
・錦糸玉子
・漬物(赤かぶ・山セリ)

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

もち豚まいたけ弁当

すっかり新潟のブランドとして定着した「越後もちぶた」と「雪国まいたけ」を使った駅弁。
スリーブ式の包装を開けると、新潟県産コシヒカリの白いご飯の上に、一面のおかずが載っていて、越後もちぶたは、角煮・肉団子・そぼろの3つの味が楽しめる構成となっています。
味がよくしみこんだ、心地よい歯ごたえの雪国まいたけの煮つけでアクセントを付けながらいただいていけば、とてもよく箸が進むことでしょう。

新津駅「もち豚まいたけ弁当」(1080円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.18「神尾弁当部」編(5))

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・間島~村上間

新潟と酒田・秋田を結んでいるE653系電車の特急「いなほ」号が、実りの秋を迎えた新潟の田んぼのなかを駆け抜けて行きます。
一部の編成は、ハマナス色や瑠璃色一色に塗られ、ひと際目立つ存在です。
「駅弁屋さんの厨房ですよ!」第18弾・神尾弁当部編は、次回でひとまず完結!
神尾雅人社長に駅弁のこれからを伺っていきます。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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