萩生田大臣「身の丈発言」~野党は全体を見て議論するべき
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月29日放送)にジャーナリストの有本香が出演。テレビ番組のなかで言った萩生田文科大臣の「身の丈発言」について解説した。
萩生田大臣、身の丈発言で釈明
萩生田文部科学大臣は24日のBSフジの番組のなかで、2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間試験について、「裕福な家庭の子どもが回数を受けてウォーミングアップできるというようなことがあるかもしれないが、自分の身の丈に合わせて2回をきちんと選んで頑張ってもらえれば」などと発言した。この発言に対して、経済格差による教育の格差を容認しているなどと批判の声があがり、28日に釈明している。
萩生田大臣)どのような環境下にいる受験生においても、自分の力を最大限発揮できるよう自分の都合に合わせて、適切な機会を捉えて2回の試験を全力で頑張ってもらいたいとの思いで発言をしたものです。国民の皆様、特に受験生の皆さんに不安や不快な思いを与えかねない説明不足の発言であったと考えておりまして、改めてこの場を借りてお詫び申し上げたいと思います。
飯田)野党は「身の丈ウィーク」などと言っています。大学入試センター試験を廃止して、その後に共通テストという形で行うということです。1月にセンター試験をやっていましたけれど、そうではなく高校3年生の広い期間で、自分に合うタイミングを見つけてもらうというような趣旨だそうです。
議論するならば内容についてするべき~一部分を捉えて追及するようなものではない
有本)この制度自体がわかりにくいところや、この番組で指摘されていたように、裕福な子は何回も受けられるのではないかという部分は、制度自体に問題点があるのではないか、それによって、受験生の親御さんは不安に感じているのではないかという問題が1つあるわけです。萩生田大臣は現任の大臣ですから、これを是正して行くために努力しなければいけないことは間違いありません。ただ、このBSフジの番組を観ていましたけれど、この部分だけを捉えて、それを失言だとして「身の丈ウィーク」と1週間以上かけて追及するようなものではないと思います。
飯田)2時間の番組でした。
有本)いままでの試験のなかで、特にリスニングは当日の環境に左右される部分が大きいので、そこをどうするかというなかで出て来た案なのです。確かに少しわかりにくいし、果たしてこれで実力が図れるのか、という疑問が出ることは間違いありません。ですから、そこを議論するのであればわかりますが、この言葉だけで、経済格差による教育格差の容認だと言うのは無理があるでしょう。
河野防衛大臣の「雨男」発言
有本)ここに来て28日夜、河野太郎防衛大臣がご自身のパーティーのなかで、自分は雨男であるというような発言があった。自分が防衛大臣になってから既に台風が3つというところで、会場がどっと沸いたのですが、この種の切り取りとミスリードです。つまりその部分だけを切り取って、「この人たちは非常に傲慢な人間たちで、庶民のことを考えておらず、大臣としての資質はいかがなものか」と言う。でもここを批判して、私たちに一体何が生まれるのですかね、ということです。河野大臣について言うなら、防衛大臣になってすぐに大きな災害があったことも事実だし、自衛隊が関係する、例えばご即位に関する行事でも、自衛隊が大きな役割を果たした部分があるわけです。そういう大きな事柄がある一方で、通常の防衛体制というものを取っているのです。その点においては、新大臣は相当努力されていると私は評価しています。ご自身のSNSを使った発信も、災害のときには随分とやられています。あの発信を見ていると、本当に不眠不休なのだなということもわかります。そういうところを全体として見ることが本来の野党の役割であって、もしこの言葉1つでまた追及という話になると、本当に不毛な国会になりますね。
飯田)全体の仕事を見て欲しいですね。
有本)そういうことです。それと萩生田さんの分野で言うなら、日本の教育にはもっといろいろな問題がありますから、与野党共にそこを追及していただきたい。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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