元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

By -  公開:  更新:

【ペットと一緒に vol.174】by 臼井京音

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

ニッポン放送「ペットと一緒に」

宝塚歌劇団の男役として活躍した、汐美真帆さん。2018年に“穂乃ぱん”の店主と結婚。その後、心の支えである実家の愛犬を思いながら、犬のためのグルテンフリーパンを考え出しました。今回は、汐美さんのストーリーを紹介します。

 

いつも支えてくれた愛犬

汐美さんは大の動物好き。兵庫県宝塚市の実家には、14歳のラブラドール・レトリーバーをはじめ、猫やインコもいます。

「愛犬には、とても癒されました。心身ともに疲れ切って帰宅すると、それを察してそっと寄り添って来てくれるんです。東京生活のいまは帰省したときにしか会えませんが、愛犬のオリーブはどうしてるかな~と、いつも思っています」

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

汐美さんの実家にいる黒ラブのオリーブちゃん

そんな汐美さんは、2018年にグルテンフリー米粉パン“穂乃ぱん”(東京都西東京市)の経営者と結婚。現在も舞台俳優などとして活躍するかたわら、時間が許す限りはベーカリーにも顔を出しています。

「犬が好きなので、お散歩途中に店先を通りかかったワンちゃんと、触れ合わずにはいられません(笑)。気づけば、お散歩帰りにワンちゃん同伴で穂乃ぱんに立ち寄ってくださる方も増えて来ました」と、汐美さんは微笑みます。

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

店先で筆者の愛犬と触れ合う汐美さん

何も食べなくなった老犬が……

汐美さんは飼い主さんたちと話しているうちに、さまざまなうれしいエピソードを耳にするようになったと言います。

「心に残っているのが、何も食べられなくなってしまった老犬が、穂乃ぱんの蒸しパンだけは勢いよく食べてくれたという話ですね。飼い主さんの笑顔を見て、私もうれしかったです。我が家にも14歳の老犬がいますが、愛犬の食欲が落ちると心配ですから」

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

蒸しパンを前に、目を輝かせるお客さん犬

穂乃ぱんのパンは、卵、牛乳、小麦粉、白砂糖を使わず、国産の米粉で作られています。

「小麦粉のパンを食べるとお腹を壊してしまうというワンちゃんが、当店のパンを食べても大丈夫だったとお聞きしたこともあります」(汐美さん)

こうした数多くのエピソードに触れ、汐美さんは犬専用のパンを作って販売したいと思うようになったそうです。

 

愛犬が喜ぶパンを作りたい!

汐美さんは夫で店主の伊藤克明さんに相談して、互いにアイデアを出し合いながら、犬用米粉パンの開発に取りかかりました。

「オリーブだったら、どんな味や香りが好きかなぁ? なんて想像を膨らませながら。ワンちゃんたちの栄養バランスも考えて、たんぱく質は入れたいと思いました」

こうして誕生したのが、米粉、豆腐、リンゴジュース、きなこ、ベーキングパウダーでできた“ワンちゃん蒸しぱん”です。

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

ワンちゃん用グルテンフリー米粉蒸しパン(1個150円)

汐美さんたちはまず、近くで開催された犬のイベントや、2019年春の“青山パン祭り”に出店。飼い主さんと犬たちの反応をうかがいました。

「『わぁ、ついにワンちゃん用の蒸しパンができたんですね~』『すごくクンクンとにおいを嗅いでいます』『おいしそうに完食しましたよ!』といった声を聞かせていただけて、ほっとしました」と、汐美さん。

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

2019年11月の“青山パン祭り”にて

2019年秋に開催された“青山パン祭り”でも、愛犬連れのリピーターさんが訪れてくれたとか。

「もちろん、ワンちゃん蒸しパンは、実家の愛犬オリーブにも大好評でした。いつも心の支えになってくれていることへの、私からオリーブへの恩返しになったかな? これからも、たくさんのワンちゃんたちと飼い主さんたちに喜んでもらえれば、私たちもうれしいです」と、汐美さんは笑顔をのぞかせていました。

元タカラジェンヌが嫁ぎ先で、実家の愛犬のために新作パンを考案

筆者宅の愛犬もワンちゃん蒸しパンに夢中

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

Page top